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孤独な建築家の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
空間はニュートン空間のようにアプリオリに人間に与えられるものではなく、建築が空間を作り出すのだと著者はいう。では「建築とは何か」と問う著者は人が動き回るような活動こそが建築なのであり、それゆえ建築を作り出す人間の活動を美的と捉える。本巻では古代ギリシャからローマの神殿、初代キリスト教やビサンチン建築、さらにロマネスク、ゴシック、ルネサンス建築の歴史を人間の活動から捉え直しを図る。著者は様々な時代を経てきた歴史的建造物が神への捧げ物であっても、建築は人間の身体が作り出すとても身近な空間芸術であると主張する。2025/07/11
Ito Makoto
0
空間としての建築(下)の序章という感じの本。下巻ではタイトルのように建築の空間としての読み解き方(単純な建築の外観・マッス、物理的ないわゆる一般的な建築の見方)に対して空間を文字通り読んでいる、またその読み方を説いているのに対して、上巻ではそれらに話を持っていくための歴史的考察が主であるといってよい。上巻がなければ下巻は楽しめないし、理解も深まらない。しかし下巻だけで主題が成り立っているのも事実。2012/03/02