感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
近代建築批判から有機体としての都市を構想し、用途の混合、小規模ブロック、新旧建築物の混在、人口の十分な密度を都市の存続に必要な4つの原理を提起した本書は、著者のジャーナリスト的な批判記述が多くを占める点で、実証手続きの薄弱さが出ているという学術的批判がある一方、人的資本が他の人々に影響し資本を増殖させるという外部効果を指摘した点で今も現代都市論の古典として扱われる(1961刊)。黒川紀章訳の本書は都市を有機体として生命科学的に捉えた第Ⅲ,Ⅳ章が省略されているが、新訳版(山形浩生訳)ではその全訳が読める。2025/07/02
takahiroyama3
2
都市工学も科学の一分野である以上、ジャーナリスティックな表現とは一線を画すものです。しかし、そんな都市工学に、大きな影響を与える本書は、ジャーナリスティックであるという矛盾があります。ただし、そこにあるのは、ただの思い付きではなく、鋭い観察力に裏打ちされた都市計画の批判と提言です。都市には混在・多様性が不可欠で、その四条件は、二つ以上の機能、短いブロック、異なる年代の建物、十分な密度に整理されます。出版60年目の今年であっても、現在の都市計画の成果を見ると、彼女はがっかりするような気もしました。2021/02/03
naof
1
今や都市の多様性・雑居性を良しとする考え方が当たり前のようになっているけど、この本がおおもとだったのだと分かりました。原文の一部しか訳されていなかったし、翻訳が読みづらかったので、最近新しく出たほうの翻訳を改めて読みたい。2010/05/12
ftoku
0
3章4章が省かれてるという・・・・・・ 山形訳がお勧め2009/09/24
muko1610
0
★★★2008/09/19