出版社内容情報
人口減少時代の郊外住宅地、生活圏の再編、ワークスタイルの変化……「鉄道」から問う2020年代の郊外論。
均質と思われていた郊外住宅やその住民生活は、いまや少子高齢化の影響、家族や就業構造等の変化に伴い多様化を呈する。鉄道沿線に展開されてきた「良質な」郊外住宅地が、車社会の到来と衰退を経て空き家問題、コミュニティの問題などを抱える場となるなか、「駅前と沿線」の価値を見直すことで、再生の方策を見いだす。
内容説明
人口減少時代の郊外住宅地、生活圏の再編、ワークスタイルの変化…「鉄道」から問う2020年代の郊外論。
目次
序章 沿線観と沿線力
第1章 大都市圏と鉄道郊外
第2章 郊外生活の現在
第3章 郊外住宅地・住宅の変容と未来像
第4章 郊外駅の現状と未来像
第5章 多様化を続けた鉄道会社の事業と郊外
第6章 沿線力強化による郊外再生
補論 大手私鉄の東西比較
著者等紹介
角野幸博[カドノユキヒロ]
関西学院大学建築学部教授。1955年京都府生まれ。1978年京都大学工学部建築学科卒業。1980年同大学院修士課程修了。1984年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。(株)電通、武庫川女子大学教授等を経て、2006年関西学院大学総合政策学部教授、2021年より現職。工学博士。一般建築士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大阪のきんちゃん2
10
仕事の関係及び鉄道オタクの興味から読んでみました。 内容は関西の鉄道会社沿線の住宅開発の歴史・現状・将来の課題について、都市住宅学会に所属する学者らの共同執筆によるモノ。 アカデミック?で鉄分は少ないwww!? どの鉄道会社も本業?と思っていた鉄道運輸収入は1割~3割(連結。関東の会社も同じ)で、今更ながら驚きではありました。2021/10/30
お抹茶
1
鉄道と郊外といえば東急や小田急が頭に浮かんだが,本書は大阪都市圏の私鉄沿線の都市開発がメイン。郊外のライフスタイルは多様化し,ベッドタウンのイメージのままでいると現状を捉えられないことがわかる。鉄道会社では長期回収型の郊外開発は非主流となり,不動産グループを再編して分譲マンションや都市型ホテルなどの短期回収や沿線外への進出を加速。全部で6章あり,どの研究も深掘りできると思う。pp.230~233の関西私鉄都市開発年表がよい。本文中にいくつか誤植が見られて少し残念。2023/01/07
Koki Miyachi
1
鉄道と郊外というホットなテーマに惹かれた。よくあることだなのだが、大学における論文をそのまま要約したような内容で、正直言って面白くない。ワクワクしない。タイトルに応えるような内容にして欲しかった。この手の本は、もう少し一般の人に伝わるように書くべきではないか?そのうち手に取ってもらえなくなるのではないか?本当にそれでいいのだろうか?残念。2022/11/18