内容説明
佐伯、タロー、寺山、HIBINO、そして院展、二科展…。日本のアーティスト最大の晴れ舞台、トビカン初の公式ガイドブック。「芸術の秋」を生んだ美の殿堂は、「アートへの入口」に生まれ変わる。アートの未来像とダイジェスト版美術史が凝縮された、カタログ的入門書。
目次
第1章 美の殿堂―旧館時代 最初の公立美術館(「芸術の秋」はここからはじまった;百万円と佐藤慶太郎―石炭商の「公私一如」 ほか)
第2章 ニッポン・アート史ダイジェスト―「旧館篇」1926→1975(近現代美術史の合わせ鏡;一九三〇年協会と佐伯祐三―パリ野獣派からの衝撃 ほか)
第3章 森に溶け込む美術館―新館時代 公立館のさきがけとして(仰ぎ見る殿堂から地中に潜る建築へ;新館と前川國男―小さな都市空間としての建物 ほか)
第4章 ニッポン・アート史ダイジェスト―「新館編」1975→(アーティストが生まれる場;新制作展と澄川喜一―教育の場としての公募展 ほか)
第5章 アートへの入口として―美術館はもっと身近に(現代建築の継承と成熟;シンボルマークと吉岡徳仁―造形の新たな原点へ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロコ
31
【図書館】これは面白い。美術展の慣わしや、美術館の建築、設計など、美術展を更に楽しむエッセンスが満載だ。こんな風に美術展を楽しむことなんて今まで考えてもいなかった。目から鱗の1冊でした。購入を検討中。2016/06/21
なおこっか
3
『奇想の系譜』観に行く気満々な訳ですが、海外では館そのものにも感心もつのに、国内美術館のことはよく知らないなーと思いまして。レンガだと思ってた外壁、陶製タイル+コンクリだったとは。美術館の出発点が、カーネギーを敬う佐藤慶太郎氏の篤志にあったとか、戦中の藤田嗣治との関わりとか、舟越桂の学生時代とか、単に美術館の説明だけに留まらず、美術史案内も絡めてあって、なかなかの内容でした。単純な都美礼讚ではないところもいい。『奇想の系譜』の時にはもそっと館もみて来よう。2019/01/31
ybhkr
2
近々、大英博物館展を見に行こうかと思っていて、おさらい。今、現代美術館で片岡珠子をやっているけど、そんなに興味がなかったのだがこの本を読んでいるうちに興味が出てきた。公募展の審査って厳しいんですね。出展料払えば誰でも…かと思っていたので衝撃でした。2003年の大英博物館展は歴代第四位の人出だったらしいので、今回も平日にひょっこりと行こうか計画中。ルーブルも人気。別の美術館で見たルーブルがおもしろかったので納得。フェルメールはあまりよい絵を見たことがないので複数まとめて見られる展示があったら行きたいな。2015/05/02
ソフィ
0
「佐藤慶太郎記念ラウンジ」が存在する理由がわかりました! 九州のたたき上げ実業家による多額の寄付も、その想いを最大限活かそうと設立設計に関わった当時の人たちの崇高な志も。このエピソードは知るだけで、都美館がいとおしいものに思えてきます。2016/12/24
ゆかり
0
東京都美術館は日本で最初にできた美術館。 旧舘の荘厳な姿。 公募展を多数実施していること。 知らないことばかり。 コラムの切り口も面白い。 久しぶりに美術館訪問の気分を味わえてホッとしました😊2020/03/05