内容説明
マスメディアを通じて建築家の仕事は社会一般に広く知られるようになった。欧米では著名な建築家が大規模な再開発計画に起用される実例が増えている。しかし、建築家はかたちづくりに執心しているにすぎないのではないかと計画手法を疑問視する声もある。建築家主導の計画によって都市環境は改善されるのか、本書はこの疑問を出発点に、ヨーロッパの郊外を中心とした大規模開発の事例を再考するものである。レンゾ・ピアノのブレーンであり、現場での見聞やコンペの審査経験も豊富な著者が、盲目的な建築家志向を問い直し、建物が社会に及ぼす影響の重要性を説く。
目次
第1章 なぜ私は建築家にならなかったのか
第2章 ティラーナ―コンペの審査員として感じたこと
第3章 哀しき郊外―パリ郊外の高層住宅政策と現在の移民問題
第4章 カタルーニャ―バルセロナ郊外の再開発計画
第5章 白く塗りつぶす―ニューヨーク・ハーレム地区の再開発とコロンビア大学の例
第6章 イタリアンクール―パレルモとミラノのイメージ広告都市
第7章 都市に住む喜びを考え直す―新しい建築家の役割
著者等紹介
チェクラ,フランコ・ラ[チェクラ,フランコラ][Cecla,Franco La]
バークレー、ヴェネツィア、ミラノ、バルセロナ、パリの大学で文化人類学を教えた経歴をもつ。レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップおよび同バルセロナ事務所顧問を務め、建築物の社会的影響を評価する組織A.S.I.A(Architecture Social Impact Assessment)を創設。現在は、地震後のラクイラ市再建の仕事に携わる。製作したドキュメンタリー映画『別の海で』は、サンフランシスコ・オーシャン・フィルム・フェスティバルで賞を受賞している
石橋典子[イシバシノリコ]
イタリア語翻訳、通訳。1961年宝塚市生まれ。東京大学薬学部・文学部イタリア文学科卒業。ミラノ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うぉ
鵐窟庵