出版社内容情報
「ダイナミックな最大限の能率」「科学技術を総合化し、日常生活に応用する」という考えに立った実践の思想を解明する。
内容説明
本書は、フラーのダイマキシオンの世界を紹介するもので、フラーの身近に20年間いて、フラーの代弁者であり、紹介者であるロバート・マークスが、前半でフラーの人となり、活動、思想を解説し、後半でフラーの27の作品を紹介したものである。すなわち、Dymaxion Dynamic Maximum Efficiency(ダイナミックな最大限の能率)というフラーの根底の思想を解説するもので、フラーの「科学技術を総合化して人間の日常生活に応用する」という基本的考えに立っての自動車デザイン(ダイマキシオン・カー)、量産住宅(ダイマキシオンハウス)をはじめ、飛行機、橋、ドーム(フラー・ドーム)のデザインに至るプロジェクトの提案、実践の思想を解明する。また、「地球的なスケールでものを捉える」彼のいわゆる「エア・オーシャン・ワールド」の発想は、世界的な資源、技術の配分、分担を含めて今後の世界像を考えてゆくうえで、大きな意義をもっている。
目次
フラーその人と哲学
慣習への不服従とニューイングランドの良心
着想の結晶化―4Dがダイマキシオンとなる
ダイマキシオンの輸送単位
エネルギー構造へのダイマキシオン
エネルギーと共エネルギーの幾何学
地図製作法(作図法)
ジオデシック構造物
著者等紹介
フラー,リチャード・バックミンスター[フラー,リチャードバックミンスター][Fuller,R.Buckminster]
1895年米国マサチューセッツ州ミルトンに生まる。1913~15年ハーバード大学在学(中途退学)。1917~19年米国海軍軍役。1927年Dymaxion Houseのプロトタイプ発表。1933年ダイマキシオン・カー、バスルーム・ユニットを考察。1950年大型ドーム、モントリオールに完成。1960年ミズーリ州セント・ルイス市にジオデシック・ドーム完成。1964年ニューヨーク世界博(パビリオン)。1967年モントリオール万国博(米国パビリオン)。1973年富士山頂、ジオデシックレイドーム。1983年ロサンジェルスで死去
マークス,ロバート・W.[マークス,ロバートW.][Marks,Robert W.]
理学博士。1930年代後半~1940年代雑誌『エスクワイアー』の編集者。『ニューヨーク・イブニング・ポスト』のコラムニストも併務。後バンタム・ブックス社の編集者。ニューヨーク市、社会科学研究新学校の政治学教授(1972年引退)。現在、南カロライナ州、チャールストン在住
木島安史[キジマヤスフミ]
1937年5月朝鮮黄海道海州市に生まる。1962年早稲田大学理工学部建築学科卒業、スペイン政府給費留学生エドアルド・トロハ研究所研究生。1966年早稲田大学大学院修士課程修了、丹下健三+都市・建築研究所勤務。1967年エチオピア国ハイレ・セラシエ1世大学講師。1971年熊本大学工学部助教授。1982年熊本大学工学部教授、工学博士。1991年千葉大学工学部教授。1992年4月没
梅澤忠雄[ウメザワタダオ]
1943年2月東京に生まる。1966年東京大学工学部都市工学科卒業。野生司建築設計事務所都市計画部入所。1969年株式会社UG都市設計設立、代表取締役。1991年梅澤忠雄都市計画設計事務所設立。1994年~東京工業大学工学部講師。1997年~立教大学観光学部観光学科講師。2000~03年東京大学大学院工学系研究科客員教授。2003年~東京大学大学院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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