出版社内容情報
巨匠たちの名作カタログ。いわば20世紀のデザインエッセンスのダイジェスト版といえる。
内容説明
本書は20世紀における個人住宅、それも一般的には最小限住宅と分類される住宅を集めたものである。この分類には、小さな面積、単純なプログラム、基本的な構法システム、一般的な材料で廉価につくられていながら、考えぬかれ、鋭い感覚によって裏打ちされている住宅(あるいはバンガロー、キャビン、隠れ家…)が該当する。ここで取り上げた最小限住宅のコンセプトは、衛生学的な観点からのアプローチとは接点を持たず、むしろ、より詩的な関わり方を示している。この身近な建築が、人間の最も根源的な欲求や欲望の具現、すなわち生活を営むための囲われた場としての住まいとして存在している。ここで扱われている建築は、深い意味で人間性、すなわち我々の生活、夢、情熱の表出である。現代社会においては久しく、建築やそれをめぐる事象は、大規模な公共プロジェクトに集中してきた。こうした状況下で、マイナーな領域として無視されてしまいがちな小さな個人的プロジェクトに新鮮な目を向けてみるのには、本書は絶好の機会と考えられる。ここでは近代主義から現代に至るまでの作品や計画を扱っており、20世紀の偉大な建築家や現代のリーダー的な建築家の作品を取り上げている。
目次
アッセンブリー(ルドルフ・M.シンドラー―A.(ジセラ)・ベナッティのための小屋1934‐1937
ヘリット・T.リートフェルト―プロトタイプ1937 ほか)
フレーミング(ル・コルビュジエ―ヴィラ・ル・ラック1923;J.J.P.アウト―ベイ社製週末標準化住宅1933 ほか)
サイティング(ブロイヤー/グロピウス―チャンバーレイン・コテージ1941;ポール・ルドルフ―ヒーリー邸(コクーンハウス)1948‐1949 ほか)
カムフラージュ(ル・コルビュジエ―週末住宅1935;フランク・ロイド・ライト/アイフラー&アソシエイツ―セス・ピーターソンのコテージ1958/1992‐1993 ほか)
著者等紹介
岩下暢男[イワシタノブオ]
1960年生まれ。1984年東京工学大学建築学科卒業。1986年東京工学大学大学院建築学修士修了。鹿島建設建築設計部入社。1991年コロンビア大学建築学部修士修了。KPF、フアラライ・ディペロップメント(ハワイ)を経て、現在、鹿島建設建築設計本部建築設計部チーフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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