内容説明
日本人の心のあり様を、ロマンチックな内容で建築文化の歴史をたどる。そこにはエッセイスト賞受賞の著者が紐解く真実がある。心のささえとなる神社や寺院への想い、貴族から庶民の暮らし、興味はさらに建築空間へと誘う。日本人と建築にやどる精神を、歴史の神髄をとおして知る。
目次
第1章 起の巻(日本の屋根はなぜ大きいか?―縄文人と竪穴住居;日本の柱はなぜ太いか?―縄文社会と丸木舟 ほか)
第2章 承の巻(五重塔はなぜ倒れないか?―聖徳太子と寺;都市になぜ城壁がないか?―天皇と都 ほか)
第3章 転の巻(寺の軒はなぜ深いか?―女と縁;庭になぜ砂か?―禅僧と庭 ほか)
第4章 結の巻(数寄屋建築はなぜ好かれるか?―利休と草庵;都市のなかになぜ都市か?―家康と八百八町 ほか)
展望―「神なき百年」の建築と未来(日本文化を否定する文化革命;「古い建築や町並は消えた」 ほか)
著者等紹介
上田篤[ウエダアツシ]
1930年大阪に生まれる。56年京都大学大学院修了後、建設省住宅局技官、京都大学工学部建築学科助教授・経済研究所助教授(併任)・人文科学研究所教授(客員)、大阪大学工学部環境工学科教授、京都精華大学美術学部デザイン学科建築分野教授、総合研究開発機構理事(非常勤)、NPO法人社叢学会副理事長、上田篤都市建築研究所主宰、京都精華大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koki Miyachi
6
平易で簡潔な日本文化と建築の歴史本。筆者の50年間に及ぶ研究の総まとめと呼ぶに相応しい厚みを感じる。起承転結の章立ての中で、「日本の屋根はなぜ大きいか?」といった素朴な疑問から考えを広げ、文化と建築の歴史を紐解いてゆく形が面白い。色々な話題に及んで、割と推測と断定で結論づけてゆくやり方は、最初はほんとかな?と疑問だったが、筆者のたゆまぬ研究の裏付けがあっての部分と想像力をたくましくして楽しんでいるスタイルが併存していて、やがて一緒に想像する自分がいた。楽しみながら勉強になる実にユニークな本なのである。2017/07/09
のし
0
日本の歴史から建築のルーツがわかりやすく書いてあります。知らなかった歴史も同時に学べてよかった。日本人の心を考えると建築も見えてきます。2010/07/07
カールステンセン
0
建築の歴史を「聖(≒心)」の視点から捉えて、建築と日本人の心理的な結びつきの歴史を書いた本です。「日本の床は何故高いか?」等の簡単な疑問から出発して著者の見解や歴史的資料を使いながら解決していくというアプローチで書かれており、建築の知識が無い私でもスラスラ読めて面白かったです。北陸の軍事力が大和朝廷と結びついていた、京町家の構造がそのまま町家の歴史を反映しているといった話が興味深かったです。読者を選ばないユニークな本だと思うので一読をお勧めします。2019/03/21
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