内容説明
ここに集められたエッセイは、一つ一つが日常の仕事や生活を通じて得られた種々の経験から導かれたもので、建築家の文章によくみられる印象深く構成された知的探求の成果ではありませんし、また、そうならぬように平素より努めてきたものです。その表現手法も、できるだけアメリカ風に、つまり、あのフランクリンやリンカーン、ヘミングウェーなどには及ばぬものとはいえ、その伝統を受け、単純明快なものでありたいと思っています。これらの文章は各々特別な状況のもとで、その情勢に対応すべく書かれたものが多く、大きな全体像の中の一節というよりは、それぞれが完結したものであり、個々の状況に応じて多少繰り返しが目立つことは否めません。しかし、当然のことですが一般論としての意味性を意識して書かれており、特に最初の二編はこの書全体の基調をなすものです。
目次
甘口と辛口
育んでくれたもの
~から学ぶ
自作について
振り返って