内容説明
柿本人麻呂は、謎の多い歌人であるといわれますが、本書で目指したのは残された作品の世界と向き合うことにより、それまでは口承レベルだった声による”うた”の世界を、人麻呂が文字を使って表現しようと取り組んだ結果、文芸作品としての〈質〉を見事に向上させていったプロセスを明らかにすることです。そのため人麻呂の生きた時代や日本語(やまと言葉)の文字化の歩み、また和歌という文芸表現が持つ特質なども踏まえつつ、この和歌史上の基点ともいうべき偉大な実績を残した歌人・人麻呂の実践の意味を読み解いていきたいと思います。
目次
序章 柿本人麻呂という歌人と文字による歌づくり
第一編 人麻呂の文字による歌づくりを論ずるために(その前提)
第二編 どのように文字による歌づくりは進んだのか
第三編 文字による表現によって文芸の質はいかに高められたか
第四編 宮廷歌人としての人麻呂が創造した表現世界とは
第五編 歌人・人麻呂の後半期(藤原京時代)にみる詩的な到達点
第六編 歌の歴史から歌人・人麻呂を問う
著者等紹介
藤川隼人[フジカワハヤト]
早稲田大学文学部卒業。文学及び文学史の理論的解明を志し、この分野の先駆けといえる『夏目漱石の文学論~文学理論への道』を『試行』(吉本隆明氏編集)に連載した他、『日本の文学精神』をまとめる。その後、NPO法人萬葉学校での活動、『万葉集歴史物語』の刊行を経て、法政大学大学院(日本文学専攻)に社会人入学し8年間在籍。柿本人麻呂作品の文芸論的な解明など論文執筆。その後も引き続き、和歌を軸とする日本文芸史への取り組みを進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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