出版社内容情報
紀貫之は『土左日記』を通して、それまで誰も挑んだことのない、日本語による散文を書くことに挑戦した。
それは、漢文でも物語でもない、読まれるためだけの私的な文章だった。
しかし、そのような文章を書き上げるのは当然のように困難を極めた。
紀貫之は目的のために、さまざまな表現方法を取り入れるブリコラージュをいとわなかった。
日記の形をとることも、女に仮託したように見せることも……。
表現の痕跡をもとに、その苦闘のプロセスと、『土左日記』がいかにして和文散文の創始になりえたのかの理由を浮き彫りにする。
【目 次】
緒言
第一章 冒頭表現
第二章 構成表現
第三章 引用表現
第四章 文頭表現
第五章 文末表現
第六章 主語表現
第七章 指示表現
第八章 会話表現
第九章 和歌表現
第十章 対比表現
引用文献一覧
付記
内容説明
『土左日記』は、いかにして和文散文の創始になりえたのか?紀貫之が目指したのは、それまで誰も挑んだことのない、日本語による散文を書くことだった。それは、漢文でも物語でもない、読まれるためだけの、私的な文章だった。しかし、そのような文章を書き上げるのは当然のように困難を極めた。貫之は、さまざまな表現方法を取り入れるブリコラージュをいとわなかった。日記の形をとることも、女に仮託したように見せることも…。本著が表現の痕跡から浮き彫りにするのは、まさにその苦闘のプロセスである。
目次
第1章 冒頭表現
第2章 構成表現
第3章 引用表現
第4章 文頭表現
第5章 文末表現
第6章 主語表現
第7章 指示表現
第8章 会話表現
第9章 和歌表現
第10章 対比表現
著者等紹介
半沢幹一[ハンザワカンイチ]
1954年、岩手県生まれ。東北大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は日本語表現学。共立女子大学文芸学部教授。表現学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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