出版社内容情報
古今東西のおみくじ和歌の豊かな世界とルーツが鮮明に。
内容説明
各社寺の特徴やおみくじの歴史的な意義があらわれた五十首を収録。明治時代から現代までのおみくじに載せられている和歌を中心に、その歌のルーツとなる神のお告げの歌や和歌占いにもちいられた歌も取り上げた。おみくじの和歌の特徴をとらえるため、歌の意味や背景に加え、各おみくじや社寺の特徴、お告げとしての歌の解釈についても紹介する。おみくじの和歌を分類すると、自然を詠む歌(叙景歌)―感情を詠む歌(叙情歌)―教訓・訓戒を詠む歌(教訓歌)―神話に基づく歌(神話歌)―漢詩を翻訳した歌、の五つにわけられる。
目次
八雲立つ出雲八重垣つまごみに八重垣つくるその八重垣を―出典『古事記』『日本書紀』『古今和歌集』仮名序
いかばかり年は経ねども住の江の松ぞふたたび生ひかはりぬる(住吉大社・大阪)
大ぞらのかすみをわけていづる哉さくらがうえのはるの夜の月(住吉楠〓(くん)神社・大阪)
あめのしためぐむ草木のめもはるにかぎりもしらぬ御世の末々(上賀茂神社・京都)
もの思ふに立ち舞ふべくもあらぬ身の袖うちふりし心知りきや(下鴨神社/相生社・京都)
なつかしき色ともなしに何にこの末摘花を袖に触れけむ(三室戸寺・京都)
めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにしよはの月かな(石山寺・滋賀)
思ふこと身にあまるまでなる滝のしばしよどむを何うらむらむ(熊野那智大社・和歌山)
千早ぶる熊野の宮のなぎの葉を変わらぬ千代のためしにぞ折る(熊野速玉大社・和歌山)
由良のとを渡る舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな(近江神宮・滋賀)〔ほか〕
著者等紹介
平野多恵[ヒラノタエ]
1973年富山県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。十文字学園女子大学短期大学部准教授を経て、成蹊大学文学部教授。日本中世文学、おみくじや和歌占いの文化史、アクティブラーニングによる古典文学教育を中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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