内容説明
書物をめぐるネットワーク、人と書物とをめぐる文化総体の追究が資料学の全容である。日本文学とその研究がこれまでに担ってきた領域、これから創造していく可能性をもつ領域とは何か。人文学としての文学が人間社会に果たしうる役割に関して、より豊かな議論を成り立たせるには、これからどうしていけばよいのか。日本文学の窓の向こうに広がるものの総体を捉えようとするシリーズ第5巻。
目次
総論―“資料”から文学世界を拓く
第1部 資料学を“拓く”(“説話本”小考―『印度紀行釈尊墓況 説話筆記』から;鹿児島県歴史資料センター黎明館寄託・個人蔵『“武家物語絵巻”』について―お伽草子『土蜘蛛』の一伝本;国文学研究資料館蔵『大橋の中将』翻刻・略解題 ほか)
第2部 資料生成の“場”と“伝播”をめぐって(名古屋大学蔵本『百因縁集』の成立圏;『諸社口決』と伊勢潅頂・中世日本紀説;圓通寺藏『血脈鈔』紹介と翻刻 ほか)
第3部 資料を受け継ぐ“担い手”たち(『中山世鑑』の伝本について―内閣文庫本を中心に;横山重と南方熊楠―お伽草子資料をめぐって;翻印南部家旧蔵群書類従本『散木奇歌集』頭書 ほか)
著者等紹介
小峯和明[コミネカズアキ]
1947年生まれ。立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家、早稲田大学客員上級研究員、放送大学客員教授。早稲田大学大学院修了。日本中世文学、東アジア比較説話専攻。物語、説話、絵巻、琉球文学、法会文学など
目黒将史[メグロマサシ]
立教大学兼任講師。日本中世、近世軍記(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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