内容説明
多様な研究分野が競い合うフィールドで、各分野の解析法がどう重なり、ずれるのか、読みと研究のあり方が問われている。日本文学とその研究がこれまでに担ってきた領域、これから創造していく可能性をもつ領域とは何か。人文学としての文学が人間社会に果たしうる役割に関して、より豊かな議論を成り立たせるには、これからどうしていけばよいのか。日本文学の窓の向こうに広がるものの総体を捉えようとするシリーズ第2巻。
目次
総論―絵画・イメージの“読み”から拓かれる世界
第1部 物語をつむぎだす絵画(絵巻・“絵画物語”論;光の救済―「光明真言功徳絵詞(絵巻)」の成立とその表現をめぐって ほか)
第2部 社会をうつしだす絵画(「病草紙」における説話の領分―男巫としての二形;空海と「善女龍王」をめぐる伝承とその周辺 ほか)
第3部 “武”の神話と物語(島津家「朝鮮虎狩図」屏風・絵巻の図像に関する覚書;根津美術館蔵「平家物語画帖」の享受者像―物語絵との“対話”を窺いつつ ほか)
第4部 絵画メディアの展開(掲鉢図と水陸斎図について;近世初期までの社寺建築空間における二十四孝図の展開―土佐神社本殿蟇股の彫刻を中心に ほか)
著者等紹介
小峯和明[コミネカズアキ]
1947年生まれ。立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家、早稲田大学客員上級研究員、放送大学客員教授。早稲田大学大学院修了。日本中世文学、東アジア比較説話専攻。物語、説話、絵巻、琉球文学、法会文学など
出口久徳[デグチヒサノリ]
立教新座中学校・高等学校教諭。日本中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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