漢語アクセント形成史論

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漢語アクセント形成史論

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  • サイズ A5判/ページ数 472p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784305708625
  • NDC分類 811.14
  • Cコード C3081

出版社内容情報

中国語の声調を、日本語は古代よりどのように取り込んできたのか



現代日本語の漢語アクセントは、古代に取り込んだ中国語声調の特徴を未だ部分的に保持している。しかしその受容と変化のプロセスは明らかになっていない。本書ではその解明を目指して、鎌倉期の和化漢文訓読資料・和漢混淆文資料の声点を分析し音韻史研究の空白を埋める。

はしがき

凡例/出典・準拠本一覧/参考資料一覧



序章 本書の目的と構成

?.本書の目的

?.先行研究と問題の所在

?.本研究の構成



第1章 字音声点を分析する上での基礎的問題

この章の目的と概略

1.1 声点の認定とそのデータ化に関わる問題

1.1.1 字音「来源情報」と声点の認定

1.1.1.1 はじめに

1.1.1.2 字音来源情報

1.1.1.3 声点の認定

1.1.2 声点と声調の対応―軽点の認定に与える字体特徴の影響

1.1.2.1 はじめに

1.1.2.2 資料

1.1.2.3 差声体系と平声軽点認定について

1.1.2.4 字体による声点認定

1.1.2.5 字形別の声点一覧

1.1.2.6 抽象される点図

1.1.2.7 曖昧なB点

1.1.2.8 おわりに

1.1.3 漢音と呉音の認定に関わる問題

1.1.3.1 はじめに

1.1.3.2 呉音系字音漢語の抽出方法

1.1.3.3 分析

1.1.3.4 おわりに

1.1.3.5 資料 呉音系字音二字漢語 声調型別一覧

1.2 字音注記とその出典に関わる問題―『医心方』を中心に

1.2.1 字音声点の加点目的

1.2.1.1 はじめに

1.2.1.2 加点の順番について

1.2.1.3 反切と共に現れる声点

1.2.1.4 声点を加えられた字の傾向

1.2.1.5 『広韻』と一致する字

1.2.1.6 呉音系字音に基づく声点が加点される字

1.2.1.7 呉音系字音加点の目的

1.2.1.8 まとめ

1.2.2 字音注記の出典と加点方針

1.2.2.1 はじめに

1.2.2.2 調査対象

1.2.2.3 字音注記の概観

1.2.2.4 まとめ

1.2.2.5 字音注記加点の具体相

1.2.2.6 おわりに

1.2.3 玉篇・切韻系韻書を典拠とする反切注文

1.2.3.1 はじめに

1.2.3.2 半井家本巻8識語の内容整理

1.2.3.3 調査方法

1.2.3.4 反切注文の典拠

1.2.3.5 反切と声点の不一致

1.2.3.6 おわりに



第2章 原音声調の継承と変容

この章の目的と概略

2.1 原音声調の継承と変容の一形態―音調のグループ化と多様化

2.1.1 音調のグループ化

2.1.1.1 はじめに

2.1.1.2 呉音系字音漢語の抽出方法

2.1.1.3 声点の組合せから見て取れる声調型の数的偏在

2.1.1.4 予備的検討

2.1.1.5 音調のグループ化の定義

2.1.1.6 字音からの検討

2.1.1.7 語の意味カテゴリによる検討

2.1.1.8 変化の固定化

2.1.1.9 おわりに

2.1.2 中世和化漢文訓読資料に現れる漢語声点の揺れ

2.1.2.1 はじめに

2.1.2.2 『新猿楽記』の声点について

2.1.2.3 声調体系について

2.1.2.4 声調型の分布

2.1.2.5 三本の比較

2.1.2.6 2拍(1+1構造)

2.1.2.7 3拍(1+2構造)

2.1.2.8 3拍(2+1構造)

2.1.2.9 4拍(2+2構造)

2.1.2.10 まとめ

2.2 漢語の声点に反映した原音声調の継承と変容

2.2.1 『尾張国郡司百姓等解文』における字音声点

2.2.1.1 分析の目的

2.2.1.2 『尾張国郡司百姓等解文』について

2.2.1.3 分析の方法

2.2.1.4 声調体系

2.2.1.5 濁声点

2.2.1.6 漢呉音の分類

2.2.1.7 分析のまとめ・課題

2.2.2 『尾張国郡司百姓等解文』における漢語の声点

2.2.2.1 はじめに

2.2.2.2 字音系統分類の方法

2.2.2.3 早大本

2.2.2.4 東大本

2.2.2.5 真福寺本

2.2.2.6 中低形回避の方法

2.2.2.7 おわりに

2.2.3 『宝物集』における漢語の声点

2.2.3.1 はじめに

2.2.3.2 宝物集について

2.2.3.3 声点について

2.2.3.4 分析の方法

2.2.3.5 固有名詞 人名:中国

2.2.3.6 固有名詞 人名:印度

2.2.3.7 固有名詞 人名:日本

2.2.3.8 固有名詞 地名

2.2.3.9 その他の固有名詞

2.2.3.10 詩や仏典からの引用

2.2.3.11 その他の名詞

2.2.3.12 まとめと展望

2.2.4 延慶本『平家物語』における漢語の声点

2.2.4.1 はじめに

2.2.4.2 資料と分析方法について

2.2.4.3 和語声点の分析

2.2.4.4 漢語声点の分析

2.2.4.5 おわりに



第3章 漢語アクセントの形成

この章の目的と概略

3.1 字音声調から漢語アクセントへ

3.1.1 下降調と下降拍

3.1.1.1 本項の目的

3.1.1.2 半井家本『医心方』における和訓と漢文本文の声点

3.1.1.3 先行研究における平声軽音節の扱い

3.1.1.4 和語下降拍の消滅による影響説について

3.1.1.5 諸方言にみる平声軽音節の現れ方

3.1.1.6 結論 試案と課題

3.1.2 原音声調における下降調についての試案

3.1.2.1 はじめに

3.1.2.2 日本語アクセントで中国声調を写し取ること

3.1.2.3 金田一春彦 1951における下降調推定の根拠

3.1.2.4 他の研究者による『悉曇蔵』からの調値推定

3.1.2.5 方言間対応による字音下降調の検討

3.1.2.6 外国借音による検討

3.1.2.7 小倉肇 2014による平声軽の音調推定

3.1.2.8 アクセントの体系変化前後の対応関係

3.1.2.9 結論

3.1.3 去声字の低起性実現から考える漢語アクセントの形成プロセス

3.1.3.1 はじめに

3.1.3.2 去声字における2つの実現形

3.1.3.3 資料の概略

3.1.3.4 字音系統の推定

3.1.3.5 語頭環境に《去》を持つ2字漢語

3.1.3.6 非語頭環境に《去》を持つ2字漢語

3.1.3.7 2つの中低形回避プロセス

3.1.3.8 結論と課題

3.2 アクセント体系変化前後に見る漢語アクセントの対応

3.2.1 漢字2字3拍の漢語アクセント

3.2.1.1 研究の目的

3.2.1.2 分析対象

3.2.1.3 字音系統の推定

3.2.1.4 アクセント型の認定について

3.2.1.5 1+2構造の3拍漢語

3.2.1.6 2+1構造の3拍漢語

3.2.1.7 まとめと課題

3.2.2 漢字2字2拍・4拍の漢語アクセント

3.2.2.1 研究の目的

3.2.2.2 分析対象とアクセント型の認定

3.2.2.3 字音系統の推定

3.2.2.4 1+1構造の2拍漢語

3.2.2.5 2+2構造の4拍漢語

3.2.2.6 語形と声点の字音系統が一致しない例について

3.2.2.7 拍数・構造ごとの比較

3.2.2.8 字音系統別に見たH1型への類推変化

3.2.2.9 結論



終章 原音声調から漢語アクセントが形成されるまで

?.はじめに

?.字音声点の認定と字音学習に関わる問題

?.原音声調の継承と変容

?.漢語アクセントの形成

?.おわりに 課題と展望



参考文献

本書と既発表論文との関係

あとがき



中国語訳要旨

英語訳要旨



事項・書名・人名索引

著者名索引

語彙索引

加藤 大鶴[カトウ ダイカク]
著・文・その他

内容説明

現代日本語の漢語アクセントは、古代に取り込んだ中国語声調の特徴を未だ部分的に保持している。しかしその受容と変化のプロセスは明らかになっていない。本書ではその解明を目指して、鎌倉期の和化漢文訓読資料・和漢混淆文資料の声点を分析し音韻史研究の空白を埋める。

目次

序章 本書の目的と構成
第1章 字音声点を分析する上での基礎的問題(声点の認定とそのデータ化に関わる問題;字音注記とその出典に関わる問題―『医心方』を中心に)
第2章 原音声調の継承と変容(原音声調の継承と変容の一形態―音調のグループ化の多様化;漢語の声点に反映した原音声調の継承と変容)
第3章 漢語アクセントの形成(字音声調から漢語アクセントへ;アクセント体系変化前後に見る漢語アクセントの対応)
終章 原音声調から漢語アクセントが形成されるまで(字音声点の認定と字音学習に関わる問題;原音声調の継承と変容;漢語アクセントの形成;おわりに 課題と展望)

著者等紹介

加藤大鶴[カトウダイカク]
1999年4月早稲田大学第一文学部日本文学専修助手。2005年3月早稲田大学文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得満期退学。2006年4月東北文教大学短期大学部(旧山形短期大学)専任講師。2010年4月東北文教大学短期大学部准教授。2015年3月博士(文学)早稲田大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。