日韓怪異論―死と救済の物語を読み解く

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日韓怪異論―死と救済の物語を読み解く

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  • サイズ A5判/ページ数 196p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784305708489
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

何が〈救い〉で何が〈苦〉なのか、怪異から死生観がわかる



『今昔物語集』、『源氏物語』、能『鵺』、『平家物語』、『万の文反古』、『閑際筆記』、幸田露伴、泉鏡花、『淑英娘子伝』、水陸斎、野談、鬼神死生論、「あの世伝」、「淑香伝」、『三韓拾遺』......

学問のジャンルを超え「人間」と「社会」を捉える際に有効な視点である怪異研究と、東アジアという比較文芸の両視点を取り入れ、〈死と救済〉を全体テーマのもと、日韓のひとびとの死生観を考察する。

はじめに



? 日本編



「火車」を見る者たち─平安・鎌倉期往生説話の〈死と救済〉─○藤井由紀子

はじめに

一 『今昔物語集』の「火車」

二 「火車」と「罪」

三 「火車」を捉える視線

おわりに



『源氏物語』における死と救済○藤本勝義

はじめに

一 物の怪に憑依された人物

二 亡霊として夢枕に立つ人物と救済

三 六条御息所と光源氏

四 『源氏物語』前後の作品の死と救済

おわりに



中世文学における死と救済─能「鵺」をめぐって─○姫野敦子

はじめに

一 能「鵺」について

二 夢幻能・現在能について

三 修羅物について

四 修羅物の終末部から見る救済

五 能「鵺」の終末部と和泉式部「くらきより」の和歌

おわりに



死なせぬ復讐譚─『万の文反古』巻三の三「代筆は浮世の闇」を巡って─○佐伯孝弘

はじめに

一 巻三の三「代筆は浮世の闇」の梗概

二 話の典拠

三 復讐の仕方への疑問

四 往生の妨げ

五 話のテーマ

おわりに



幸田露伴・泉鏡花における「死」と「救済」○藤澤秀幸

一 はじめに─「芸」による「救済」─

二 幸田露伴における「死」と「救済」─『対髑髏』と『土偶木偶』─

三 泉鏡花における「死」と「救済」─『化鳥』と『朱日記』─

四 泉鏡花における「死」と「救済」─『夜叉ヶ池』と『海神別荘』─

五 おわりに



? 韓国編



朝鮮王朝小説における死と救済の相関性─「淑英娘子伝」を中心に─○沈致烈

一 はじめに

二 死へ走る悲壮と救済の臨場感

三 死と救済の相関性



「水陸齋」における死の様相と儀礼の構造的な特徴○金基?

一 はじめに

二 下壇に祀られた霊魂(霊駕)たちの存在様相

三 三壇を中心にみた水陸斎の構造的な特徴

四 おわりに



朝鮮王朝社会における儒教的転換と死生観の変化○姜祥淳

一 序論

二 儒教的儀礼の実踐と性理学的鬼神死生論の受容

三 儒教的死生観と巫俗 ? 仏教的死生観の葛藤と習合

四 おわりに



朝鮮王朝時代のあの世体験談の死と還生の理念性○金貞淑

一 緒論

二 仏教的倫理観の文学的形象化

三 仏教の外皮、儒教的含意

四 善悪の具体的提示と勧善書の流行

五 おわりに



朝鮮王朝後期の韓国古小説に見える女性の死と救済○高永爛

一 朝鮮王朝後期の古典文学と謫降モチーフ

二 謫降仙女の死と生き返り

三 人間女性の死と転生

四 朝鮮王朝後期の韓国古小説に見える女性の死と救済



あとがき

執筆者一覧

清泉女子大学「日本文学と怪異」研究会[セイセンジョシダイガクニホンブンガクトカイイケンキュウカイ]

藤井 由紀子[フジイ ユキコ]
清泉女子大学准教授。専門は中古文学。主要著書に『夢見る日本文化のパラダイム』(荒木浩編 、共著、法藏館、二〇一五年)、『新時代への源氏学6 虚構と歴史のはざまで』(助川幸逸郎・立石和弘・土方洋一・松岡智之編、共著、竹林舎、二〇一四年)など。

藤本 勝義[フジモト カツヨシ]
青山学院女子短期大学名誉教授。博士(文学)。専門は中古文学。主要著書に『源氏物語の表現と史実』(笠間書院、二〇一二年)、『源氏物語の人ことば文化』(新典社、一九九九年)、『源氏物語の〈物の怪〉』(笠間書院、一九九四年)、『源氏物語の想像力』(笠間書院、一九九四年)、『王朝文学と仏教・神道・陰陽道』(竹林舎、編著、二〇〇七年)など。

姫野 敦子[ヒメノ アツコ]
清泉女子大学准教授。専門は中世文学。主要著書に『日本の歌謡を旅する』(日本歌謡学会編、共著、和泉書院、二〇一三年)、『鳥獣虫魚の文学史 :日本古典の自然観』(鈴木健一 編、共著、三弥井書店、二〇一一年)など。

佐伯 孝弘[サエキ タカヒロ]
清泉女子大学教授。専門は近世文学。主要著書に『江島其磧と気質物』(若草書房、二〇〇四年)、『八文字屋本全集』全二十三巻(共編、汲古書院、一九九三~二〇〇〇年)、『西鶴と浮世草子研究』vol.2(共編、笠間書院、二〇〇七年) 、『浮世草子研究資料叢書』全七巻(共編、クレス出版、二〇〇八年)など。

藤澤 秀幸[フジサワ ヒデユキ]
清泉女子大学教授。専門は近代文学。主要著書に『論集大正期の泉鏡花』(泉鏡花研究会編、共著、おうふう、一九九九年)、『近代文学研究とは何か─三好行雄の発言─』(共編、勉誠出版、二〇〇二年)など。

沈致烈[シム チヨル]
誠信女子大学校教授。専門は韓国古典散文。主要著書に『古典小説講讀』(共著、韓国放送通信大学校、二〇一六年)、『神話の世界』(共著、誠信女子大学校出版部、二〇〇五年)、「〈淑英娘子伝〉に現れた死の現場性と再生の喪失感」(『韓国古典研究』三十二輯、韓国古典研究学会、二〇一五年十二月)など。

金基?[キム ギヒョン]
高麗大学校教授。専門は韓国口碑文学。主要著書に『春香祭八十年史』(民俗院、二〇一五年)、『国立国楽院 口述叢書11 成又香』(国立国楽院、二〇一三年)、『韓国の民俗芸術五十年史』(共著、民俗院、二〇十一年)など。

姜祥淳[カン サンスン]
高麗大学校民族文化研究院HK教授。専門は韓国古典文学。主要著書に『鬼神と怪物』(召命出版、二〇一七年)、『韓国古典小説と精神分析学』(高麗大民族文化研究院出版部、二〇一六年)、『19世紀朝鮮の文化構造と動力学』(編著、召命出版、 二〇一三年)など。

金貞淑[キム ジョンスク]
高麗大学校CORE事業団研究教授。専門は韓国漢文小説、漢文散文。主要著書に『朝鮮後期 才子佳人小説と通俗的漢文小説』(宝庫社、二〇〇六年)、『日本漢文怪談集夜窓鬼談』(共訳、図書出版文、二〇〇八年)、『曲江樓奇遇記?想思洞餞客記』(檀国大出版部、二〇一五年)、 「漢文懸吐体新聞小説『神断公案』に見る犯罪敍事の商業化」(『日本学研究』五十号、二〇一七年一月)など。

高永爛[コウヨウラン]
高麗大学校民族文化研究院HK研究教授。主要著書に『日本古典文学に現れた生と死』(共著、ボゴ社、二〇一五年)、『鬼神、妖怪、異物の比較文化論』(共著、召命出版社、二〇一四年)、「銀と遊廓文化─『けいせい色三味線』の場合─」(『日本文化学報』七十輯、二〇一六年八月)など。

内容説明

何が“救い”で何が“苦”なのか怪異から死生観がわかる―学問のジャンルを超え「人間」と「社会」を捉える際に有効な視点である怪異研究と、東アジアという比較文芸の両視点を取り入れ、“死と救済”を全体テーマのもと、日韓のひとびとの死生観を考察する。

目次

1 日本編(「火車」を見る者たち―平安・鎌倉期往生説話の“死と救済”;『源氏物語』における死と救済;中世文学における死と救済―能「鵺」をめぐって;死なせぬ復讐譚―『万の文反古』巻三の三「代筆は浮世の闇」を巡って;幸田露伴・泉鏡花における「死」と「救済」)
2 韓国編(朝鮮王朝小説における死と救済の相関性―「淑英娘子伝」を中心に;「水陸斎」における死の様相と儀礼の構造的な特徴;朝鮮王朝社会における儒教的転換と死生観の変化;朝鮮王朝時代のあの世体験談の死と還生の理念性;朝鮮王朝後期の韓国古小説に見える女性の死と救済)