「平家物語」という世界文学

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  • サイズ A5判/ページ数 256p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784305708366
  • NDC分類 913.434
  • Cコード C0093

出版社内容情報

戦争の引き起こす悲しみや苦悩は、世界で、どう語りつがれてきたのだろうか。

人間の歴史において戦争とは何であったのか。それを知るために、この国のいくさの物語を、世界の戦争文学のなかで捉え直す。わが国の人々が生み出した戦争文学から何がわかるか。



日本の軍記物語と西欧の叙事詩を中心に、戦いを題材とした世界のさまざまな作品との比較を試み、それぞれの独自性を明らかにすることで、『平家物語』ひいては日本自体を見つめていく視点を得る。



比較される世界の文学作品は、『ギルガメシュ』『イリアス』『オデュッセイア』ギリシア悲劇『歴史』『戦史(歴史)』『アナバシス』『アルゴナウティカ』『ガリア戦記』『アエネーイス』『内乱―パルサリア―』『狂えるオルランド』『エルサレム解放』『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』『ベーオウルフ』『アーサー王物語』『オシアン』『シャー・ナーメ(王書)』『ロランの歌』『イーゴリ遠征物語』『ブィリーナ』『エル・シードの歌』『ニーベルンゲンの歌』『三国志演義』『ウズ・ルジアダス』『カレワラ』『ゲセル・ハーン物語』『マナス』等。



【戦乱のあとに相次いで生まれたこの国のいくさの物語は、戦いのなかで味わわされた様々な苦悩をストレートに見つめ、普遍的なものに昇華させ、混じりけのない言葉で表現しようとしたものであったと知らされる。文学としての稀有な価値も、おそらくはそこにある。】…第五章より

まえがき



本書言及作品の国別一覧

【?メソポタミア 『ギルガメシュ』BC12/?ギリシア『イリアス』BC8 『オデュッセイア』BC8 ギリシア悲劇、諸作品 BC6~5 『歴史』BC5(ヘロドトス著) 『戦史(歴史)』BC5(トゥーキュディディース著) 『アナバシス』BC4 『アルゴナウティカ』BC3/?イタリア 『ガリア戦記』BC1 『アエネーイス』BC1 『内乱―パルサリア―』AD1 『狂えるオルランド』AD16 『エルサレム解放』AD16/?インド 『ラーマーヤナ』AD2 『マハーバーラタ』AD4/?イギリス 『ベーオウルフ』AD8 『アーサー王物語』AD15採録 『オシアン』AD18採録/?イラン 『シャー・ナーメ(王書)』AD10~11/?フランス 『ロランの歌』AD11~12/?ロシア 『イーゴリ遠征物語』AD12 『ブィリーナ』AD17~18採録/?スペイン 『エル・シードの歌』AD12~13/?ドイツ 『ニーベルンゲンの歌』AD13/?中国 『三国志演義』AD14/?ポルトガル 『ウズ・ルジアダス』AD16/?フィンランド 『カレワラ』AD19採録/?モンゴル 『ゲセル・ハーン物語』AD19採録/?キルギス 『マナス』AD20採録】



凡 例



プロローグ 戦争と平和と文学と



第一章 『平家物語』と西欧の叙事詩―その文学的差異―

【従来、『平家物語』は日本の国民的叙事詩として評価されてきたが、西欧の叙事詩と具体的に比較してみれば、意外にも叙事詩には登場人物の年齢記述がなく、その事実が根源的な相違を暗示しているようである。歴史の不条理性がどう表現されているかといった問題を含め、叙事詩と我が国の軍記物語との共通性と異質性を考える。】

 一 叙事詩における年齢の不問

 二 不条理性の認識

 三 通底するもの

 四 異質性とその根源



第二章 体験としての『平家物語』

【『平家物語』誕生の基底には、実際に戦争の時代を生きた人々の体験談があったことが物語の記述から透かし見える。それを伝えた人々の思いは、物語の後代における改変を通しても受け継がれ、西欧の叙事詩とは異なる文学的性格を帯びる要因になっているように思われる。】

 一 手柄話の種々相

 二 死にまつわる実話の類

 三 記憶のなかで



第三章 スコットランド叙事詩『オシアン』との共通性・異質性―『平家物語』の世界的位置―

【いくさを主題とした世界の前近代の物語群の中で、『平家物語』と通ずる性格を持つスコットランド叙事詩の『オシアン』に焦点を当てる。一般の叙事詩が異国家・異宗教・異民族に非寛容であるのに対し、この作品は、敵を赦(ゆる)し、敵と融和することを理想として語る点、『平家物語』と似通うが、戦乱体験を基盤とする『平家』の方に文学的深さがある。】

 一 世界のいくさ物語、概観

 二 『オシアン』という作品

 三 『平家物語』と通底するもの、乖離するもの



第四章 古代インド人の時間認識と戦争―いくさの物語と時間―

【長大な戦闘記述を有するインドの叙事詩『マハーバーラタ』は、時間論を基軸に据えた哲学的考察を含み、近代ヨーロッパにも影響を与えた。その核となっている、独立して読まれることの多い「バガヴァッド・ギーター」の章を、作品全体の流れの中に置いて捉え直し、従来の評価に疑問を呈しつつ、『平家物語』の無常観との相違を考える。】

 一 『マハーバーラタ』の基本的発想

 二 「バガヴァッド・ギーター」の論理

 三 祭さい祀しの車輪〈チャクラ〉

 四 ブラフマンの本体としての時間

 五 天界からの視座



第五章 ヘロドトス著『歴史』等との対比から―いくさの物語と苦悩の表現―

【戦争の引き起こす悲しみや苦悩を、人はどう文字化してきたのか、その問いかけをもとに、ヘロドトスの『歴史』を筆頭とする西欧古代の史書類の検討から始め、いわゆる叙事詩の場合、空想ゆたかな架空の戦いの物語の場合と、分析を進める。明らかになって来るのは、『平家物語』が伝えようとした思いの深さである。】

 一 史書類の戦争叙述

 二 いわゆる叙事詩における苦悩

 三 仮構性優位な作品群の世界

 四 結果への視座



第六章 イタリアの叙事詩三作品―戦いの面白さとその限界―

【勝ち負けを語る戦いの物語は、本来的に、人々に面白さ、言い換えれば興奮を与えるものであり、それを目的として創られる場合が多い。しかし、実際の戦いは、それと裏腹に悲惨な現実を残す。その問題を、イタリア叙事詩三作品を通して考えてみる。】

 一 架空の戦闘

 二 歴史事象の作品化―『内乱―パルサリア―』―

 三 架空と現実と―面白さの限界―

 (1)『狂えるオルランド』

 (2)『エルサレム解放』



第七章 エウリーピデースと世阿弥―戦いの伝承の劇化―

【戦いは、しばしば舞台で演ずる対象となってきた。その具体例として、トロイア戦争などを題材として多くの作品を残したギリシア悲劇作家のエウリーピデースの場合と、『平家物語』に材を得て作能した世阿弥の場合とを比較検討する。作品を創り出す両者の基本姿勢の相違を明らかにしつつ、『平家物語』の別次元のあり方を考える。】

 一 戦争被害者への目―女性たち―

 二 神話伝承の否定―戦いの因への懐疑―

 三 献身のテーマ

 四 世阿弥の前提―発想の原点―

 五 『平家物語』 との位相差



エピローグ 東洋と西洋と



後注

初出一覧

あとがき

索引

(1)作品・作者名

(2)作中人物・神名

日下 力[クサカ ツトム]
1945年、佐渡に生まる。早稲田大学大学院修了。岩手大学教育学部助教授を経て早稲田大学文学学術院教授。現在、早稲田大学名誉教授。
主著に『平治物語の成立と展開』(汲古書院)、『平家物語の誕生』(岩波書店)、『岩波セミナーブックス・平治物語』(岩波書店)、『平家物語転読―何を語り継ごうとしたのか』(笠間書院)、『いくさ物語の世界―中世軍記文学を読む』(岩波新書)、『中世尼僧 愛の果てに―『とはずがたり』の世界』(角川選書)など。

内容説明

戦争の引き起こす悲しみや苦悩は、世界で、どう語りつがれてきたのだろうか。人間の歴史において戦争とは何であったのか。それを知るために、この国のいくさの物語を、世界の戦争文学のなかで捉え直す。わが国の人々が生み出した戦争文学から何がわかるか。

目次

プロローグ 戦争と平和と文学と
第1章 『平家物語』と西欧の叙事詩―その文学的差異
第2章 体験としての『平家物語』
第3章 スコットランド叙事詩『オシアン』との共通性・異質性―『平家物語』の世界的位置
第4章 古代インド人の時間認識と戦争―いくさの物語と時間
第5章 ヘロドトス著『歴史』等との対比から―いくさの物語と苦悩の表現
第6章 イタリアの叙事詩三作品―戦いの面白さとその限界
第7章 エウリーピデースと世阿弥―戦いの伝承の劇化
エピローグ 東洋と西洋と

著者等紹介

日下力[クサカツトム]
1945年、佐渡に生まる。早稲田大学大学院修了。岩手大学教育学部助教授を経て早稲田大学文学学術院教授。現在、早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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akuragitatata

0
平家物語を世界中の古代のいくさがたりと比較した本。勉強になることはいろいろある。2017/09/24

穂積臣

0
世界の叙事詩と日本の平家物語を比較したものだった。

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