日本霊異記の罪業と救済の形象

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日本霊異記の罪業と救済の形象

  • 大塚 千紗子【著】
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  • サイズ A5判/ページ数 276p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784305708359
  • NDC分類 184.9
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人はどのように苦しみ救いを得ているのか



恋や愛という他者への欲望から生まれる罪業と葛藤、

そして聖人の救済が描かれる『霊異記』。

奈良末期から平安朝前期において、漢訳仏典の語や教理の深淵に

人間の心の様相を求め、存在の在り方を探った仏教説話集である。

これまでは仏教学、思想史学、歴史学、国語学方面からのアプローチが

ほとんどであったが、「文学」の対象に据えたとき、

物語の持つあらたな構造が浮かび上がる。

作品論的読解により、中国説話集の未熟な模倣作とされた評価を覆す。

凡例



序章 『日本霊異記』における罪業観と救済の構造

一 本書の目的と方法

二 『霊異記』における罪業観と救済の構造

三 本書各論の概要



第一部 罪業の形象



第一章 狐妻説話における主題―愛欲の表現と異類婚姻譚―

はじめに

一 『霊異記』に見る狐妻説話とその主題

二 狐の変化と「?しき女」への眼差し

三 異類婚における愛欲

おわりに



第二章 狐妻説話における恋歌―「窈窕裳襴引逝也」との関係を通して―

はじめに

一 狐妻説話の変容と歌の意義

二 当該歌の先行研究

三 「窈窕」の表現性

四 散文部「裳襴引逝也」の表現性

五 『万葉集』における類歌

六 「ほのか」と「はろか」

おわりに



第三章 「愛心深入」における女の因業

はじめに

一 「愛心深入」における文脈の問題点

二 『霊異記』の夢見

三 神識にみる人間の心的作用

四 女の「愛心深入」

おわりに



第四章 婬?なる慈母―子の孝養における救済―

はじめに

一 問題の所在

二 「天骨婬?」の意味

三 婬?の母・悪逆の子

四 孝の思想と『父母恩重経』

五 仏の導きと子の孝

おわりに



第五章 盲目説話の感応と形象―古代東アジア圏における信仰と奇瑞―

はじめに

一 盲目の母

二 盲目治癒説話における願

三 「郷歌」にみる母子の盲目譚

四 『雑宝蔵経』に見える盲目説話

五 『霊異記』の宿業の病と感応

おわりに



第六章 宿業の病と無縁の大悲

はじめに

一 『霊異記』の病と宿業

二 無縁の大悲と無相の妙智

三 『霊異記』説話と無縁の大悲

おわりに



第二部 〈聖人伝〉の形象



第一章 聖徳太子の片岡説話―「出遊」に見える〈聖人伝〉の系譜―

はじめに

一 聖徳太子片岡説話伝承の位相

二 釈迦の出家における遊観・出遊

三 聖徳太子伝承と『梁高僧伝』

おわりに



第二章 『霊異記』が語る行基伝―聖人の眼をめぐって―

はじめに

一 『霊異記』の行基説話と分類

二 聖人が備える天眼とその機能

三 天眼の菩薩・通眼の聖人

おわりに



第三章 行基詠歌伝承と烏の形象

はじめに

一 行基の詠歌

二 烏の形象と歌の伝承

三 婆羅門僧正と行基との贈答歌

四 行基の嘆きと歌の意義

おわりに



第四章 「外道」なる尼―女人菩薩説話の形成―

はじめに

一 肉団からの異常出生

二 尼と神人

三 外道なる尼

おわりに



終章 編者景戒の夢見と『日本霊異記』説話との関係性

一 『霊異記』下巻第三十八縁―二つの夢見と夢解―

二 延暦六年の夢

三  延暦七年の夢

四 本書各論の結論



初出論文一覧

あとがき

索引(書名・事項)

大塚 千紗子[オオツカ チサコ]
一九八六年、東京都に生まれる。二〇〇九年、和洋女子大学人文学部日本文学科卒業。二〇一六年、國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士課程後期修了。学位取得、博士(文学・國學院大學)。現在、國學院大學兼任講師。著書に『古事記歌謡注釈 歌謡の理論から読み解く古代歌謡の全貌』(共著、 辰巳正明監修、新典社、二〇一四年)など。

内容説明

恋や愛という他者への欲望から生まれる罪業と葛藤、そして聖人の救済が描かれる『霊異記』。奈良末期から平安朝前期において、漢訳仏典の語や教理の深淵に人間の心の様相を求め、存在の在り方を探った仏教説話集である。これまでは仏教学、思想史学、歴史学、国語学方面からのアプローチがほとんどであったが、「文学」の対象に据えたとき、物語の持つあらたな構造が浮かび上がる。作品論的読解により、中国説話集の未熟な模倣作とされた評価を覆す。

目次

『日本霊異記』における罪業観と救済の構造
第1部 罪業の形象(狐妻説話における主題―愛欲の表現と異類婚姻譚;狐妻説話における恋歌―「窃窕裳襴引逝也」との関係を通して;「愛心深入」における女の因業;婬〓(いつ)なる慈母―子の孝養における救済
盲目説話の感応と形象―古代東アジア圏における信仰と奇瑞
宿業の病と無縁の大悲)
第2部 “聖人伝”の形象(聖徳太子の片岡説話―「出遊」に見える“聖人伝”の系譜;『霊異記』が語る行基伝―聖人の眼をめぐって;行基詠歌伝承と烏の形象;「外道」なる尼―女人菩薩説話の形成)
編者景戒の夢見と『日本霊異記』説話との関係性

著者等紹介

大塚千紗子[オオツカチサコ]
1986年東京都に生まれる。2009年和洋女子大学人文学部日本文学科卒業。2016年國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士課程後期修了。学位取得博士(文学・國學院大學)。現在、國學院大學兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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