おかしいぞ!国語教科書―古すぎる万葉集の読み方

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おかしいぞ!国語教科書―古すぎる万葉集の読み方

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  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784305708151
  • NDC分類 375.9
  • Cコード C0037

出版社内容情報

教科書に書いてあることは、時代遅れ? 間違いがあるなんて!? 記述が昭和の時代から更新されていない、教科書の万葉集を徹底分析。

最新の情報に基づく読み方と、古典が好きになる授業方法を提案しつつ、教材の本当の姿と面白さを伝える、研究者からの熱いメッセージ。

中学・高校の先生、先生を目指す人、古典愛好家、必読の書。高校「国語総合」教科書、全23種の解剖所見付。

上代文学会監修。執筆は、多田一臣/菊川恵三/城?陽子/永吉寛行/野口恵子/佐藤織衣/鈴木雅裕/佐藤愛/品田悦一/吉村誠。



【本書は、中学・高校の先生方や教職を目指す学生さんたちに読んでほしいと考え、企画したものである。教える立場の方々に、教材の裏側にある問題点などについても、理解していただければ幸いである。もちろん、教育問題は子を持つ親御さんたちにとっても切実なことであろう。したがって、若い人たちを育てる責任のあるすべての方々に、本書を手に取ってほしいと願っている。

本書は主に『万葉集』を扱っているが、これは一人『万葉集』の問題ではない。教科書の古典の教材には、どんな問題が潜んでいるのか。教材とされたものに関する研究の現状はどのようなものなのか。本書はその一部に過ぎないが、研究者の側から情報を提供し、それを世間の方々に知っていただくことで、現在のチグハグな状況が少しでも改善すればと念じている。】「はじめに」より。

はじめに…梶川信行



I 今、なぜ教科書を問うのか



国語教育の危機…多田一臣

はじめに―教育政策そのものへの疑念/国語教育の昔と今/古典を学ぶこととは/教科書の中の『万葉集』/おわりに



古すぎる教科書の万葉観…梶川信行

はじめに―『万葉集』はどのように教えられるべきか/「国語総合」の教科書/教材化された万葉歌/古典を学ぶ目的と意義/秀歌選のパッチワーク/古い常識に基づく記述など/おわりに



II 問題のありかを探る



小・中学校教科書と万葉集…菊川恵三

はじめに―小学校教科書に登場した古典教材と、中学校古典教材との違い/小学校国語教科書の和歌/中学校国語教科書と万葉歌/「韻文から散文」、「散文から韻文」/おわりに―活動を通した和歌学習



高等学校国語における古典教育の実態と諸問題…城?陽子

はじめに―高等学校国語教員へのアンケート調査実施/調査結果と考察/おわりに―古典教育の現状と打開



「手引き」から考える万葉集学習の特性…永吉寛行

はじめに―学習指導要領の求める目的は実現可能か/音読について/「心情を表現に即して読み味わう」こと/「ものの見方、感じ方、考え方を豊かにする」こと/「比較読み」について/創作活動との関わり/おわりに―生徒達の万葉歌理解のために/参考各教科書会社の「手引き」



万葉歌から何を学ばせるか…梶川信行

はじめに―教科書の万葉観と現在の研究水準の乖離/時代に即した学習に向けて/万葉歌から何を学ばせるか/古典教育の未来に向けて



III 高校「国語総合」の教科書、全二十三種を徹底解剖



[単元構成/配当時間/教材化された万葉歌/教材の典拠となったテキスト/典拠と教材との異同/脚注の傾向と問題点/学習の手引き等の傾向と問題点/趣意書の特色/指導書の構成と問題点/総合所見]

…梶川信行・野口恵子・佐藤織衣・鈴木雅裕・佐藤愛

はじめに

東京書籍『新編国語総合』(国総301)

東京書籍『精選国語総合』(国総302)

東京書籍『国語総合 古典編』(国総304)

三省堂『高等学校 国語総合 古典編』(国総306)

三省堂『精選国語総合』(国総307)

三省堂『明解国語総合』(国総308)

教育出版『国語総合』(国総309)

教育出版『新編国語総合 言葉の世界へ』(国総310)

大修館書店『国語総合 古典編』(国総312)

大修館書店『精選国語総合』(国総313)

大修館書店『新編国語総合』(国総314)

数研出版『国語総合 古典編』(国総316)

数研出版『高等学校 国語総合』(国総317)

明治書院『高等学校 国語総合』(国総318)

明治書院『精選国語総合 古典編』(国総320)

筑摩書房『精選国語総合 古典編』(国総322)

筑摩書房『国語総合』(国総323)

第一学習社『高等学校 新訂国語総合 古典編』(国総325)

第一学習社『高等学校 国語総合』(国総326)

第一学習社『高等学校 標準国語総合』(国総327)

第一学習社『高等学校 新編国語総合』(国総328)

桐原書店『探求国語総合 古典編』(国総330)

桐原書店 『国語総合』(国総331)

「国語総合」における『万葉集』の採択状況一覧



IV 最新の研究で教材を読み解く



忘却された起源―憶良の歌が定番教材となったわけ…品田悦一

はじめに―問題のありかを見失わないために/最近の指導書/明治の文学史書/昭和戦前・戦中期の国語読本/おわりに/資料1明治期刊行日本文学史書/資料2昭和戦前戦中期中学校用国語読本



宴席のコミュニケーション術―大伴坂上郎女の「姫百合」歌を例として…野口恵子

はじめに―生徒の興味を引き出すために/教材化された「姫百合」歌/「姫百合」歌の研究史/「姫百合」歌の表現構造/宴席歌としての「姫百合」歌/表現技巧を考えるための教材



明快な「読み」のない歌―大伴家持「春愁歌」…吉村誠

はじめに―最新の研究成果をどのように生かすか/新学習指導要領を基盤とした古文の授業展開/『万葉集』研究の目標/大伴家持の「春愁歌」/教材としての「春愁歌」/おわりに



『古事記』倭建命―読み換えられる《悲劇の英雄》…鈴木雅裕

はじめに―教材『古事記』の大半は倭建命の物語/教科書『古事記』の基礎調査/「伝承」という枠組み/倭建命の人物像/教科書が生み出す新たな倭建命



V こう教えたい『万葉集』―新たな教材の提案…梶川信行

はじめに―教材の提案/音読する『万葉集』―「国語総合」/東アジアの中の『万葉集』―「古典B」



索引



あとがき…梶川信行

梶川 信行[カジカワ ノブユキ]
日本大学文理学部教授。博士(文学)。上代文学会代表理事(2015・2016年度)。
著書に『万葉史の論山部赤人』(翰林書房・1997、上代文学会賞)、『額田王熟田津に船乗りせむと』(ミネルヴァ書房・2006)、『額田王と初期万葉歌人〔コレクション日本歌人選〕』(笠間書院・2012)、『万葉集の読み方天平の宴席歌』(翰林書房・2013)など。

多田 一臣[タダ カズオミ]
二松学舎大学特別招聘教授・東京大学名誉教授。著書『万葉集全解1~7』(筑摩書房・2009~2010)、『古代文学の世界像』(岩波書店・2013)など。

菊川 恵三[キクカワ ケイゾウ]
和歌山大学教育学部教授。論文「新学習指導要領の〔伝統的な言語文化〕と古典教育」(『日本語学』28巻3号・2009)、「夢歌からみた巻十一・十二?人麻呂歌集・出典不明歌・巻四?」(『萬葉集研究』34集・塙書房・2013)など。

城? 陽子[シロサキ ヨウコ]
國學院大學兼任講師。著書『近世国学と万葉集研究』(おうふう・2009)、『万葉集編纂構想論』(共著・笠間書院・2014)など。

永吉 寛行[ナガヨシ ヒロユキ]
神奈川県立上溝南高等学校教頭。著書『新精選古典文法』(共著・東京書籍・2013)、論文「教室で文学作品を扱うということ?高等学校の現場から」(『日本語学』32巻4号・2013)など。

野口 恵子[ノグチ ケイコ]
日本大学法学部准教授。論文「漂流する「女歌」?大伴坂上郎女論のために?」(『天平万葉論』翰林書房・2003)、「記紀歌謡と万葉集を読む」(『日本古典文学』弘文堂・2015)など。

佐藤 織衣[サトウ オリエ]
青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程。

鈴木 雅裕[スズキ マサヒロ]
日本大学大学院文学研究科博士後期課程。論文「高等学校「国語」教科書における『古事記』の位置?明治書院「古典B」を中心に?」(『日本大学大学院国文学専攻論集』第11号・2014)、「『古事記』中巻の展開?「神話的叙述」による意味の生成?」(『語文』151輯・2015)など。

佐藤 愛[サトウ アイ]
日本大学高等学校非常勤講師。論文「高等学校『国語総合』における三大集の採択状況」(共著・『日本大学大学院国文学専攻論集』11号・2014)。

品田 悦一[シナダ ヨシカズ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。著書『斎藤茂吉』(ミネルヴァ書房・2010)、『斎藤茂吉異形の短歌』(新潮社・2014)など。

吉村 誠[ヨシムラ マコト]
山口大学教育学部教授。著書『大伴家持と奈良朝和歌』(おうふう・2001)、論文「研究の現状と教材化?『万葉集』山部赤人「不盡山」歌を通して?」(『山口大学教育学部論叢』第64巻第3部・2015)など。

内容説明

教科書に書いてあることは、時代遅れ?間違いがあるなんて!?記述が昭和の時代から更新されていない、教科書の万葉集を徹底分析。最新の情報に基づく読み方と、古典が好きになる授業方法を提案!教材の本当の姿と面白さを伝えたい、研究者からの熱いメッセージ。中学・高校の先生、先生を目指す人、古典愛好家、必読の書。高校教科書「国語総合」全23種、解剖所見付。

目次

1 今、なぜ教科書を問うのか(国語教育の危機;古すぎる教科書の万葉観)
2 問題のありかを探る(小・中学校教科書と万葉集;高等学校国語における古典教育の実態と諸問題 ほか)
3 高校「国語総合」の教科書、全二十三種を徹底解剖(単元構成;配当時間 ほか)
4 最新の研究で教材を読み解く(忘却された起源―憶良の歌が定番教材となったわけ;宴席のコミュニケーション術―大伴坂上郎女の「姫百合」歌を例として ほか)
5 こう教えたい『万葉集』―新たな教材の提案(はじめに―教材の提案;音読する『万葉集』―「国語総合」 ほか)

著者等紹介

梶川信行[カジカワノブユキ]
日本大学文理学部教授。博士(文学)。上代文学会代表理事(2015・2016年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ozean-schloss

2
国語教科書の定番教材、万葉集の教材観が現代の国語教育と乖離していることを警告する書。なのだが、執筆者側に「学習者にどんな資質能力をつけさせるか」という教育的な視点が欠落しているため、文学の先端研究を押し付けるだけになった残念な一冊。 古い万葉集解釈が古典の魅力を損ねているという主張は理解するが、その対案は素読と、改訂した解説の読解のみで、学習者に考えさせ、納得させる要素がない。 おまけに教育学的知見を平然と軽視し、論者によっては「教職大学院など愚の骨頂」とまで。開いた口がふさがらない。星2。2018/05/13

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