内容説明
大規模な遣唐使船団が海原を行き来していた時代。時代の先端を行く、異文化交流を担い、新しい時代文化の創造に直接関わってきた人々の学識や人となり、彼らの遭遇した紆余曲折及びその心中の喜怒哀楽といった感情の起伏と色彩は、文学研究からしか伝わってこない。本書はそのようなスタンスから、古代日本の文化、ひいては中日交流が緊密で頻繁であった古代東アジア文化圏の一端を明らかにする。
目次
総論 古代漢詩文の思想理念とその展開
第1部 詩人論(大友皇子の伝と詩―近江風流を今に伝える詩人;大津皇子の詩と歌―詩賦の興り、大津より始れり;釈智藏の詩と老荘思想;大神氏と高市麻呂の従駕応詔詩;最盛期の遣唐使を支えた詩僧・釈弁正;奈良王朝の「翰墨之宗」―藤原宇合)
第2部 主題論(藤原門流の饗宴詩と自然観;暮春三月曲水宴考;遊士と風流)
第3部 国際学会論文
著者等紹介
胡志昂[コシコウ]
1955年、上海市生。復旦大学日文科卒。慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。第十一回上代文学会賞受賞。現在埼玉学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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