内容説明
何度でも出会いたい日本の名詩。時代順にならべ鑑賞と注釈を添えた近現代詩入門。明治15年『新体詩抄』の刊行の際、「明治ノ歌ハ明治ノ歌ナルベシ、古歌ナルベカラズ」と宣言した新詩形がはじまる。西欧詩と日本古来の詞華の世界が融合し、日本の詩のアイデンティティが確立する時代。76篇収録。
目次
矢田部良吉訳 グレー氏墳上感懐の詩『新体詩抄』
外山正一 抜刀隊『新体詩抄』
新声社訳(ミニヨンの歌「於母影」;花薔薇「於母影」)
国木田独歩 山林に自由存す『抒情詩』
島崎藤村(潮音『若菜集』;初恋『若菜集』)
土井晩翠(星落秋風五丈原『天地有情』;荒城月『中学唱歌』)
与謝野鉄幹 人を恋ふる歌『鉄幹子』〔ほか〕
著者等紹介
西原大輔[ニシハラダイスケ]
1967年(昭和42年)、東京に生まれる。1989年(平成元年)、筑波大学比較文化学類卒業。1996年(平成8年)、東京大学大学院総合文化研究科満期退学。シンガポール国立大学、駿河台大学を経て、広島大学大学院教授。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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双海(ふたみ)
20
『ダダイスト新吉の詩』に初めてお目にかかりました。好きではないですが、新鮮な感じ。佐藤春夫の詩がたくさん採録されています。與謝野晶子女史の「君死にたまふことなかれ」の評価が手厳しい。「無責任な町人思想」とのこと。たしかに名家の跡取りだからという論理には、貧しい家庭出身の兵隊に対する無意識の蔑視があるのかもしれない。大町桂月に批判されるのも致し方ない。・・・しかし、私はそこまで厳しく晶子女史を責めるつもりもなければ、そんなことできそうにない。2015/08/30
しーふぉ
15
俳句や短歌は収録されておらず詩のみ。海外の訳詩もあり翻訳者の上田敏の名訳も楽しめる。自分は北原白秋が好きなのが判明した。2024/04/13
カメ吉
2
山村暮鳥さんの「風景」インパクトがすごかった。多分これから一生忘れないと思う。 宮沢賢治は正直めちゃめちゃ分かりにくかった。というか今も分からない笑。あれが理解できるようになろうと思った。2022/02/14
高橋直也
2
図書館の本。北原白秋の「意気なホテルの」とか、木下杢太郎の「築地の渡し」とかホテル・メトロノームと言うキーワードでつながると言う話は面白かった。先日鏑木清方の「築地明石町」と言う絵を見に行ってきたばかりだから。 この時代のリズミカルな詩が好きです。日夏耿之介も取り上げてほしかったかな。2019/12/26
issue
2
感覚的に読解してしまいがちな詩という文学作品を、創作時の作者の心境・作者の生い立ち・時代背景など、論理的に理由付で解説している。それはそれで面白かった。 あと改めて、賢治はヤヴァイなぁと思った(笑)2019/04/03