出版社内容情報
艶情味あふれる人情本の真髄を探る。江戸時代末期に登場し、女性読者を虜にする艶情味あふれる恋愛を描いた、人情本。本書は、人情本というジャンルが成立した天保期の作品を軸に、その特質を明らかにする。江戸の爛熟文化の下、「戯
内容説明
江戸時代末期に登場し、女性読者を虜にする艶情味あふれる恋愛を描いた、人情本。本書は、人情本というジャンルが確立した天保期の作品を軸に、その特質を明らかにする。江戸の爛熟文化の下、「戯言を言われても顔を赤らめない」ほど色事に興味を示した女達の、秘めやかな欲求を、人情本が満たしたのは何故か。人情本全体の精神を、出版、時代、人物など様々な問題から解き明かす。
目次
あだ―春水人情本の特質
文政期人情本の一側面―『桐の一葉』をめぐって
「人情」から人情本へ
『春色梅児誉美』の成立
「春色梅暦」シリーズの変貌
『春色湊の花』の位置
『多満宇佐喜』をめぐって
人情本作者鼻山人の立場
『花街桜』の趣向―鼻山人の再検討
素人作者曲山人
春水以後―文政期人情本への回帰
人情本ノート
戯作と出版ジャーナリズム
辰巳の風―洒落本・人情本の深川
二人の艶二郎―『江戸生艶気樺焼』から『総籬』へ
著者等紹介
武藤元昭[ムトウモトアキ]
昭和14(1939)年東京生まれ。京都大学文学部国語学国文学専門課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程単位取得済退学。青山学院大学教授、学長を経て平成20(2008)年退職。青山学院大学名誉教授。平成21(2009)年11月から静岡英和学院大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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