内容説明
本書では「最善本」の提示を目的とはせず、諸本の有する「本文のヴァラエティ」そのものを研究対象とし、源氏物語本文研究にも波及する重要な問題を論じる。原本の再建を目指す従来の本文批評とは異なり、もろもろの異体を相互に位置づけることを目指した、まったく新しい本文研究。
目次
第1章 狭衣物語諸本の分類と系統
第2章 文学研究と本文批評
第3章 深川本狭衣物語本文批評
第4章 狭衣物語巻一「東下り」の異文をめぐって
第5章 狭衣物語巻三系統論存疑
第6章 狭衣物語巻四系統論存疑
第7章 狭衣物語諸本の本文分析
第8章 引用論と本文異同
第9章 源氏物語研究への提言
著者等紹介
片岡利博[カタオカトシヒロ]
1950年、大阪市住吉区(現、住之江区)生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。1999年、博士(文学・大阪大学)。現在、神戸松蔭女子学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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