内容説明
紫式部は『源氏物語』五十四帖の各巻を、いつ、どのようにして執筆・発表したか。これまで著者は、自身による五期構成説に基づき、推定でき得る限りの執筆時期を提示してきたが、本書でさらなる執筆時期の限定、及びモデル・准拠を求めていく。具平親王家サロン周辺、並びに彰子中宮サロンという披露の場と、巻々に示されている時節を手がかりに、埋もれた事実を発掘する。
目次
第1章 五十四帖の執筆・発表時期―発表の場と季節を手掛かりとして(第一期(帚木三帖)
第二期前半(「桐壷」~「葵」六帖)―源明子の典侍辞任を手掛かりとして
第二期後半(「賢木」~「藤裏葉」十二帖) ほか)
第2章 『源氏物語』のモデルと准拠(帚木三帖―具平親王と光源氏;「桐壷」巻―敦康親王と光る君;六条御息所―京極御息所・中将御息所・斎宮女御を手掛かりとして ほか)
第3章 王朝文学は如何にして発表されたか(『宇津保物語』『落窪物語』『堤中納言物語』からの照射;『枕草子』―女房文学発表の場;『紫式部日記』―『枕草子』の影響)
著者等紹介
斎藤正昭[サイトウマサアキ]
1955年静岡県生まれ。1987年東北大学大学院博士課程国文学専攻単位取得退学。元、いわき明星大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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