目次
今ははや心のままに
敷島の道の伝への
明石潟かたぶく月も
雲はらふ与謝の浦風
見るがごとくあふげ神代の
老の浪あはれ今年も
軒ちかき梅が香ながら
霞むべき山の端遠く
花鳥の色にも音にも
花見にと出でたちもせず〔ほか〕
著者等紹介
加藤弓枝[カトウユミエ]
1974年岐阜県生。名古屋大学大学院博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、豊田工業高等専門学校准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
177
古今伝受者である幽斎の歌は伝統を踏まえ端正である。が、それは戦いに生きた人の静かさであり、時にほろ苦さも感じさせる。《夕日影をちの山もと降り晴れてあたたかげなる雪の松原》…叙景は京極派風。《惜しからぬ身を幻となすならば涙の玉の行方たづねん》…源氏物語を踏まえ子を亡くした秀吉を慰める。《薄墨につくれる眉のそば顔をよくよくみれば三角(みかど)なりけり》…秀吉が飯に蕎麦が混じるのを怒った際、帝を揶揄して和ませた。《武蔵野も果てはありなん行く行くもわが恋草の種を尋ねて》…恋歌だが、平和を求める武人の心とも読めた。2024/08/21
keroppi
50
読友さんのレビューに惹かれて。足利将軍家、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康…大河ドラマでも何度も描かれた時代。その渦中にいた武将の和歌である。そこには、その時代を生き抜く武人としての生き方と心情を綴る文人としての心根が見え隠れする。こういう風に、あの時代を見たのが新鮮だった。2018/05/21
hiro6636
1
月に散る花とや見まし吹く風もをまさまる庭の初雪の空が好み。2021/01/02
金監禾重
1
幽斎の歌を年代順に掲載し、生涯の出来事によって歌がどう変化したか、どこが変化しなかったかを明らかにしたかったらしいが…本文では幽斎の歌がどのような構造で、どのような手法を使いこなしていたか、本歌があって、などの説明は手厚いが(その面ではおもしろいが)「変化」には言及せず。無教養な私には最初(30代)から幽斎が歌に秀でていた、としか読み取れなかった。つづく2018/06/11
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