内容説明
表現摂取の分析を踏まえた中世和歌の展開を、藤原定家を中心に考察する。改作に伴う本文の変化、文献学的研究の進展や新資料の紹介を踏まえ、摂取源である本歌や本説の本文を再検討。摂取歌の新たな解釈を導き、その表現意図を明らかにする書。定家老年期の作とされてきた『藤河百首』についても享受史を踏まえ、検討を加える。
目次
第1編 万葉摂取論―俊頼から定家へ(源俊頼の万葉摂取歌;定家本『俊頼髄脳』の万葉歌;藤原定歌『百人一首』自撰歌考;藤原定歌の万葉摂取歌)
第2編 物語摂取論―俊成から定家へ(藤原俊成自讃歌考;藤原定家と『大和物語』;建仁元年『仙洞五十首』恋歌考)
第3編 改作論(藤原定家の自詠改作;『新勅撰和歌集』の本文形成;『宮河歌合』考)
第4編 享受論―注釈の本文と言説(『藤河百首』の再検討;『藤河百首』の表現;『内裏名所百首』の有注本をめぐって)
附編 『明月記』の写本と文化史資料としての意義(東京大学総合図書館所蔵『明月記』;国立国会図書館所蔵『明月記』;『明月記』と音楽)
著者等紹介
五月女肇志[ソウトメタダシ]
1969年長崎県生まれ。2005年東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻日本語日本文学専門分野修了。横浜美術短期大学、白百合女子大学、成蹊大学非常勤講師を経て、二松學舎大学文学部国文学科専任講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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