内容説明
歌垣という、古代日本にも存在していた習俗が残る、中国の少数民族の歌世界を取り込みながら、さらに中国の『詩経』や六朝の詩歌なども視野に入れ、『万葉集』を中心に、東アジア古代歌謡の成立に関する諸問題を論じる。人類の歴史とともに存在した「歌謡」の姿を明らかにしようとする。
目次
1 歌垣と恋愛歌謡の形成(〓歌(かがひ)と歌垣―東アジアの歌掛け文化
山の歌垣―古代日本と中国を中心に
水辺の歌垣―万葉集の恋歌と七夕歌の形成
海石榴市の歌垣―歌の闘争をめぐって
門前の歌―古代日本と中国を中心に
上巳節―鄭国の民俗及び後世への展開)
2 民間歌謡から詞へ(採桑の文学―神々の授けた恋愛歌;万葉集巻頭歌の形成―中国採桑文学との比較;中国少数民族の通せんぼの習俗と対歌;呉声子夜歌―子夜四時歌の形成;上代日本における「ふり」と「曲」)
著者等紹介
曹咏梅[ソウエイバイ]
1976年中国黒龍江省生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。(財)奈良県万葉文化振興財団万葉古代学研究所主任研究員。博士(文学・國學院大學)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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