紫式部の父親たち―中級貴族たちの王朝時代へ

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紫式部の父親たち―中級貴族たちの王朝時代へ

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784305705297
  • NDC分類 210.36
  • Cコード C0095

内容説明

もし紫式部の父親が、出世していたら、『源氏物語』は存在しなかったかも。王朝時代の中級貴族たちの暮らしぶりを、当時の手紙から復元し、生き生きと蘇らせる。紫式部であれ、清少納言であれ、和泉式部であれ、みんな、中級貴族の娘だった。

目次

序章 紫式部が見ていた父親の背中
第1章 酒を酌み交わす詩人たち
第2章 たかられる受領たち
第3章 忙殺される中級貴族たち
第4章 気位を高く保つ文章家たち
第5章 さまざまな専門家を頼る王朝貴族たち
第6章 悪徳の誘惑と闘う受領たち
第7章 研鑽を怠らない学者たち
第8章 息子の将来を心配する父親たち
終章 紫式部の父親を見る眼

著者等紹介

繁田信一[シゲタシンイチ]
1997年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。2003年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了、博士(歴史民俗資料学)。神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学外国語学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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feodor

7
藤原明衡『雲州消息』をもとにした、平安時代の中級貴族の生活をテーマにした本。基本的には、漢文・漢学に通じた中級貴族=受領層の手紙をもとに、実像を描き出してみる、というスタンスの本。これらの中級貴族層の目指すところや、受領であったがための奉仕や任官活動などについても触れられ、最終的には荘園制にも触れられているところで、中級貴族から平安時代の摂関政治期(といっても、終焉期に近い頃だとは思うが)が描き出されているように感じた。白文・書き下し文は、若干スペース稼ぎだろうか……とも感じてしまったり。2015/08/05

遊未

4
当時の中級貴族の手紙からその生活を読み解いています。漢籍に精通し漢文を自由に書き、和歌をよむ。どれだけの時間勉強するのか大変なことだと思います。でも、不遇に終わるかも。受領になれたらなれたで適度に悪いことして稼がねばならないし、上級貴族にたかられるし。この先生の著書はいつもながら興味深く安心して借りられる一冊でした。2023/05/19

ゆずこまめ

1
優雅な貴族生活も、中流ともなるとなかなか大変だったよう。学問が出世の手段だった彼らの娘達が華麗なる王朝文学の世界を生んだ。世の中って面白い。2023/03/05

なかがわみやこ

1
繁田さんの著作はふんだんに引かれる実例が面白い。2010/12/31

ハイパー毛玉クリエイター⊿

0
紫式部は、父の没落ゆえにアラサーに至るまで結婚できなかった?そして父を恨んでいた?…なぁんていう考察が面白い。彼女がそういったコンプレックスを昇華させて、源氏物語をはじめとする数々の作品を生み出していたのだとすれば、お父上が不遇であったことは、読者たる我々にとってはありがたいことであるのかもしれない。2015/08/23

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