内容説明
文学を言語において読み解くとはどういうことなのか。文学の言語行為について、「読むこと」「書くこと」といったことを言語認識論的な意味から考え直し、小林秀雄・川端康成を中心に、宮澤賢治・折口信夫・堀辰雄・夏目漱石の評論や小説を論じていく。作品に文学としての力を発動させているものは一体何か。文学の「言語活動」分析から、文学の可能性を改めて考える書。
目次
1 文学言語論の定位と展開(影響と伝達―文学論を制約する二つの言語観;輻湊する“読み”の中で“文学”を定位するもの―“差異化”と“非任意性” ほか)
2 小林秀雄・批評の言語をめぐって(ベルグソン体験の展開;意識と言葉―「Xへの手紙」までの小林秀雄 ほか)
3 川端康成・生動する文学言語(川端文学の言語観―言語不信が要請する言語依存;「伊豆の踊子」その“風景”の発見と“旅”の造形―「山越えの間道」の調査から ほか)
4 記述行為の身体性へ(宮澤賢治『雪渡り』の歌声;折口信夫『死者の書』の“近代” ほか)
著者等紹介
石川則夫[イシカワノリオ]
昭和32(1957)年東京都世田谷区に生まれる。昭和51(1976)年東京工業高校建築科卒業。昭和56(1981)年國學院大學文学部文学科卒業。平成2(1990)年國學院大學大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。これまでに調布学園高校、聖学院高校、山脇学園短期大学などの非常勤講師を勤める。平成8(1996)年國學院大學文学部日本文学科専任講師。平成18(2006)年國學院大學文学部日本文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。