内容説明
「批評理論」とは、異なる分野や学問領域の研究者が、互いに意思を伝え合うことができる共通の“言語”である。国内外の論客が、ハーバード・イェンチン研究所で開催された、日本文学国際シンポジウムでの成果から、日本文学研究の現在を見据え、新たなる方法を提唱する野心的な試み。
目次
イントロダクション(日本文学、文化の記憶、権力)
アンチエディプス―精神分析の変容(物語のアンチエディプス―寺山修司・谷崎潤一郎・『源氏物語』;夏目漱石『こゝろ』におけるセクシュアリティと語り;薫型コンプレックス―『源氏物語』の思想;兄弟愛とインセスト―中上健次「秋幸三部作」をめぐって)
物語社会―歴史をどう語るか(換喩から提喩へ―『剣巻』における歴史の形象;歴史の外典か戦争機械か?―清盛のカブロと空間、噂、放浪の問題;「顔」が生成する真名本『曾我物語』―“曾我”「兄/弟」の非対称的物語;振動する非自己―村上春樹の「コミットメント」とトラウマ)
ジャンル横断―異なるものたちとの出会い(受動化する身体、見出される風景―漱石、谷崎、乱歩における「遊民」たち;“紫のゆかり”と物語社会の臨界―『源氏物語』を世俗化/マイナー化するために;歌づくりの方法論;風景和文の形成―『源氏物語』の空間の成立)
解説(日本文学からの批評理論―アンチエディプス・物語社会・ジャンル横断)あとがき(発見すること、発信すること)
著者等紹介
シラネ,ハルオ[シラネ,ハルオ][Shirane,Haruo]
コロンビア大学教授/日本文学、比較文学
藤井貞和[フジイサダカズ]
立正大学教授/古代文学、言語態分析
松井健児[マツイケンジ]
駒澤大学教授/日本文学、平安文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たっきー
akuragitatata