内容説明
おのが内部に「暗闇」をもつ紫女の言説を犀利に読み解く。現代語訳対照・解説・改訂本文一覧・和歌各句索引付き。
目次
秋のけはひ入り立つままに
まだ夜深きほどの月
渡殿の戸口の局に見出だせば
しめやかなる夕暮れに
播磨の守
八月二十余日のほどよりは
二十六日、御薫物合はせ果てて
九日、菊の綿を
十日の、まだほのぼのとするに
十一日の暁に〔ほか〕
著者等紹介
小谷野純一[コヤノジュンイチ]
二松学舎大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。大東文化大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おゆ
9
見開き右側の偶数ページに原文、左側の奇数ページに現代語訳、下部欄外に注釈という構成が独特で、ページを跨ぐとき戸惑う。私は慣れもあり、現代語訳→原文の順で読んだ。巻末の解説は難解。本作については和泉式部や清少納言への批判の噂しか知らなかったので、作者の紫式部には癖のある人物像を想定していた。けれど本書を読んだ限りでは、良識的で控えめでやや内向的なごく当たり前の女性、という感触を持った。少なくとも和泉式部ほど恋艶めいてはおらず、清少納言ほど毒や棘を大っぴらにはしない。あの自筆の大作への言及も僅かで驚いた。2017/04/29
めぐみこ
1
対訳あるのは有り難い。でも直訳しすぎというか、原文の流ちょうさが消えていて残念。2017/01/27
☆☆☆
1
このシリーズは、初めて手に取りましたが、とても読みやすいです。古典苦手意識アリの私にも、読みやすかった?ということで、このシリーズ、他にもリピ決定!!です。紫式部と私の考え方が似ているところもあったり、親近感を持てたり、ととても面白く読めました?2017/12/20
のんき
0
和泉式部評、清少納言評を見てみたいという野次馬根性で読んでみる。原文をすらすら読める訳じゃないので現代語訳付きの本をと思ったけど、言葉の勢いまでは訳文じゃ移しきれないものだと痛感する。2009/06/26