内容説明
時代の流れを旧風から新風へと導き、後鳥羽院をはじめ誰からも尊崇された俊成という考え、あるいは、当代歌壇を御子左家対六条藤家だけで括る図式的見方を離れて、俊成の仕事の実態を明らかにする。
目次
1 寂蓮をめぐる問題(寂蓮の風情;寂蓮と顕昭)
2 俊成の歌合判詞の特質(文治二年十月経房家歌合一番判詞をめぐって―歌合における作者と判者と;俊成判詞「其時も老僧ゆるさず」について;俊成判詞の「不可庶幾」という評語について ほか)
3 俊成歌の表現と歌語(「鵜飼舟」と「鵜舟」―御子左家と六条藤家の歌語意識;ちらすなよ篠のは草のかりにても―表現の成立と影響;新奇な詞と俊成歌)
著者等紹介
安井重雄[ヤスイシゲオ]
1961年京都府宮津市生。1984年龍谷大学文学部国文学科卒業。1989年龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2004年博士(文学)。現職、京都光華女子大学・高野山大学・龍谷大学非常勤講師。専攻は中古・中世和歌文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。