内容説明
北原白秋に激賞された『母』他、音数律を越えた音楽的構造を孕む一穂詩、究極の構図を解く。鮮烈な印象を刻み込む一穂固有のレトリックの作品構造を解析した渾身の労作。
目次
第1章 郷愁と憧憬詩集名「海の聖母」の成立まで―詩作品「トラピスト修道院」・「峡江」・「帆船」を軸に
第2章 抽象化される詩語『海の聖母』の方法―詩作品「少年思慕調」・「霧」・「母」を軸に
第3章 抒情の場に芽生える啓蒙意識『海の聖母』の思想的到達点―詩作品「鷲」・序詩「「若き日本」の前奏曲」を軸に
第4章 啓蒙意識と自己確認『故園の書』の初期の思考―幻想譚「鷲」散文詩「故園の書」を軸に
第5章 革命意識から民族意識へ『故園の書』における革命意識の顛末―詩作品「業」・散文詩「内部」・幻想譚「海の族」を軸に
第6章 絶望の場に作る―『稗子伝』初期の詩作品「鴉を飼うツァラトゥストラ」と後期の詩作品「岩の上」・「泥」・「咒」を軸に
第7章 構成された断章 「白鳥」考1―第1章から第7章までを読む
第8章 構成された断章 「白鳥」考2―第8章から第12章までを読む
第9章 構成された断章 「白鳥」考3―第13章から第15章までを読む
第10章 詩人機能の掌握 「白鳥」以後―詩作品「影」・「無の錘1」・「夜の座」・「非存」・「ネガ・レアリテ」・「北の門」を軸に
跋文に代えて 基本的な詩作方法―「幾何学的精神」と「垂直の声」と
著者等紹介
田村圭司[タムラケイジ]
札幌市に生れる。北海道大学文学部文学科卒業。高等学校教諭、帯広大谷短期大学教授、東京慈恵会医科大学教授を経て、国学院大学文学部教授
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