出版社内容情報
和歌を核として発展した仮名文を「話す側が構成を整えていない文、読み手・聞き手が先を見通せない文」と定義。こうした構文を〈連接構文〉と名づけ、和文の基本原理に据える画期的な提言。和歌、物語読者も必読。
内容説明
和文の基本原理を明かした画期的な書。和歌や平安和文や現代語の口語言語では「話し手の脳裏に最初から整った“文”は構成されていないし、和文では、読み手に先が見通せない」したがって、「“文”を確定した上で構文を合理的に分析しようとする方法は、現実の発話の実態に即していない」このように、「句節をつぎつぎと継ぎ足して構成される形」の構文を“連接構文”と名づけ、それを和文の基本原理に据える画期的な提言。和歌、物語読者必読の書。
目次
導論 仮名文の構文
序章 はるは あけほの―和歌と和文と口頭言語との接点
第1章 うめ に うくひす―語音俳列則
第2章 そてひちて―動詞活用のパラダイム
第3章 ひくらし―多重表現
第4章 はるは きにけり―フォーカスの移動
第5章 ながめせしまに―多重修飾
第6章 仮名文の構文原理