内容説明
本巻には、絵巻物の形で伝わった物語、六作品を収める。なかでも『藤の衣物語絵巻』は、質量ともに注目すべき作品である。原物語は、山伏に身をやつした太政大臣の子息とその三人の子供たち(中納言・中宮・僧正)が、剣や笛、物の怪の言葉によってめぐりあうという、父と子の絆を軸とした物語であり、鎌倉時代に成立した物語と推定される。中宮となる女児の母は遊女であり、水辺の遊女の暮らしも描かれており興味深い。一方、白描絵の中にはおびただしい量の画中詞が書き込まれており、絵巻制作時とおぼしき室町時代の口語を反映したものとして、貴重な国語学的資料と考えられる。六作品とも初の現代語訳の試みであり、詳細な注と解説により、物語絵巻の世界を解き明かす。
目次
藤の衣物語絵巻
下燃物語絵巻
豊明絵巻
なよ竹物語絵巻
掃墨物語絵巻
葉月物語絵巻
著者等紹介
伊東祐子[イトウユウコ]
1957年、長野県生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(日本語日本文学)。都留文科大学・東京外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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