内容説明
大納言の異腹のきょうだいは、引っ込み思案の男君と活発な女君であった。大納言の「とりかへばや」の嘆きをよそに、性を取り違えられたまま、男君は女として、女君は男として成人する。女中納言は右大臣の四の君と結婚するが、宰相に密通され、自身も見破られて懐妊し、女姿に戻って出産する。男君は尚侍として女春宮に出仕し契りを結ぶが、男姿に戻って女中納言を探し出す。再会した二人は、それぞれの立場を入れ換えて、栄達への道を上っていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たていす
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面白かったです。久しぶりに面白い古文でした。人間関係が複雑だけれど、「夜の寝覚」もなかなか面倒でしたから。でもどちらも面白かったです。「源氏物語」と、それぞれ三つを比べながら読むのも楽しかったです。さいとうちほさんの漫画の方も気になります。2014/01/25
ひろただでござる
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「とりかえ・ばや」がおもしろかったので原作を読んでみた。女君の心情を語る部分が多く男君の件に殆ど触れないのは当時の読者層を意識してたんだろうなぁ…と。男性陣は男君も権中納言も帝さえも「石蕗」チックなのには笑った。「とりかへばや」のセリフが最初と最後の2回しか使われていないのには感心(上から目線)したけど、男女が入れ替わる物語を一千年程前に刊行(?)して今も残してるとか、登場人物皆一様によく泣くというのも日本人のメンタルは一千年ほとんど変化していないんだなぁ…と2018/04/21