感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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「しのびね」は、まるで現代小説を読んでいるかのようなプロットで、思わず続きが気になってしまう。特に、帝の姫君への執着にはすごいものがある。いくら身分というものがあっても非難されるのではないかと思うほどで、間違いなく異常なレベルである。この帝の作中での大きさというのも、またすごいものがあるように思う。決して典型的な王朝物語という感じはせず、中世王朝物語というのはとても魅力的なのだと実感した。一方で、「しら露」はかなり読みにくくて、現代語を読みながらでもほとんど話すら把握することはできなかったのが残念である。2012/09/12