内容説明
本書は『日本霊異記』を当時の仏教思想に影響された言説としてとらえ、「ことば」の原拠から背景にある思想性を考察する。積極的に大陸文献との比較検討を行い『日本霊異記』説話の主題や思想の問題を解明する。比較文学の方法を用いることで、影響関係を単に典籍の舶載状況・語句の共通という出典論的研究に終始するだけではなく、仏教的知性の人的交流や寺院の学問的・経済的活動、さらには地域の土着伝承なども考慮に入れた実証的研究として展開していく。
目次
第1部 東アジアの言語と『日本霊異記』
第2部 「景戒」の思想と『日本霊異記』
第3部 東アジア仏教文化圏との関わり
第4部 外来説話と土着
第5部 東アジア仏教の理念と説話表現
第6部 仏典注釈の知的世界と仏教的知性―古代説話文学研究のために
著者等紹介
山口敦史[ヤマグチアツシ]
1964年北海道小樽市生まれ。1988年大東文化大学日本文学科卒業。1993年大東文化大学大学院日本文学専攻博士後期課程満期退学。1994年九州大谷短期大学専任講師。2001年大東文化大学文学部日本文学科専任講師。現在、同大学同学部同学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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