内容説明
万葉びとは、どのような「生」を生き、歌の中でどのような世界を繰り広げているのか。「生老病死」の四苦と「喜怒哀楽」の感情に、「寿」と「無常」を加えた10項目を手がかりとして、万葉びとの「生」に迫る。
目次
生―万葉集に歌われる「生」
「老」の歌として享受された家持歌―『類聚古集』・『古葉略類聚抄』から考える
病苦との対峙―旅人・憶良の場合
白露の消かも死なまし
万葉集における「よろこびの歌」
“怒り”と“恨み”―歌における感情の表出
私的領域を組み込み、感情を組織して成り立つ世界―泣血哀慟歌から考える
「たのし」と「楽」
家持にとっての七十歳―賀寿の視点から
『万葉集』と「無常」
海山川のあそび―海人 鵜 鷹の歌