内容説明
照りつける太陽、冴えわたる月、輝く星、そよぐ風、降りしきる雨、空に舞う雪…、天象はまさしく、千変万化の姿を見せる。このような天象を万葉びとはどのように捉え、うたっているであろうか。―新たな視点から万葉歌に迫る。
目次
「天象の万葉集」序論
天と空
万葉歌の太陽
万葉の月
星と星に関する物語
雲のイメージ―神話的な発想
姿なき使者―風
雨に煙る佐保山
霞の衣を着た“佐保姫”―『万葉集』享受と歌枕の再生
立つ霧の思い
雪歌にみる家持の心象世界
天と日の周辺―治天下・阿毎多利思比孤・日本