内容説明
今日、感性的価値が注目され、コンピュータを用いた心理的測定も可能になり、マーケティングにデザインを取り入れようという研究が始まっている。そのような現状を踏まえ、企業のデザイナーであり、感性工学の専門家である著者が、デザインの立場からマーケティング理論をわかりやすく解説する。
目次
1 マーケティングとデザイン
2 製品重視のデザインマーケティング
3 顧客志向のデザインマーケティング
4 人間中心のデザインマーケティング
5 デザインのためのマーケティング・リサーチ
6 感性デザインとマーケティング
7 インタフェースデザインとマーケティング
著者等紹介
井上勝雄[イノウエカツオ]
1978年千葉大学大学院工学研究科修了。同年三菱電機(株)に入社。2000年同社デザイン研究所インタフェースデザイン部長を経て、2002年広島国際大学教授、2018年より(株)ホロンクリエイト研究顧問。博士(工学)、認定人間工学専門家、専門社会調査士。感性工学およびラフ集合を用いたデザイン評価・設計論、インタフェースデザインに関する研究に従事。日本デザイン学会研究奨励賞、日本感性工学会出版賞、日本知能情報ファジイ学会著述賞を受賞。日本デザイン学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Don2
2
良かった。マーケティングにまつわる定量的/定性的な教科書的理論の紹介と、それをどうデザインに落として込んでいくのか、実際に著者の関わった事例も含めて解説されている。例えばイノベーター理論とそれに基づく顧客の絞り込み・デザインの方向性決定の話とか、デザインの構成要素と感性の関係を統計的に処理・理解する方法とか。えらく論理的な印象を受けるなあと思っていたら、著者は統計関連の博士号持ちで、まごうこと無きプロだった。デザインを理論+実践の両面から、しかも実務者の視点から解説した良書。2020/10/12