出版社内容情報
「私はフランスにいたの。がんの診療所よ」」
ローアンは、金融界の大物イサンドロと政略結婚で結ばれた。
やがて妊娠し、かわいい男の子を出産したが、わずか数時間後、
メモだけ残し、ローアンはひとり病院をあとにした。
重い病に冒され、もう長くないと悟った彼女は、
大切な跡継ぎの体に害が及ばぬよう、いっさいの治療を拒否し、
母親を失うつらさを息子に味わわせないよう、姿を消したのだ。
なにより、夫への愛を最期の瞬間まで隠し通せる自信がなかった。
2年後、ローアンは奇跡的な回復を遂げた。息子に会いたい――
その願いが叶う前に待っていたのは、怒りに燃えた夫との再会。
【目次】



