出版社内容情報
もう、なんて失礼な人なの!
なのに目で追ってしまうのはなぜ……。
両親亡きあと、住み慣れた家を失い、職探しを始めたジェマイマ。
病弱な母に代わって家事をしてきたため資格など何もなかったが、
幸運にも、ある老婦人のつき添いになることができた。
慣れない仕事はつらく、雇い主の甥の大学教授アレクサンダーから
とるにたりない存在と思われているのも腹立たしい。
それなのに、なぜか願ってしまう――彼がほほえんでくれたら、と。
しかしアレクサンダーの近くにはいつも美しい女性がいた。
ある日、その美女から“ねずみみたい。女性としての魅力に欠ける”と
言われたジェマイマは恥ずかしくて赤面した。彼はどう思ったかしら?
ふと教授のほうを見ると、何やら考え深げな彼と目が合い……。
自分に自信のないジェマイマですが、そのじつ芯の強いヒロインで、“相手が誰であれドアマットのように踏みにじられるつもりはない”と心に思ったりします。そんな彼女が人生で初めて恋した相手は、会うたびに失礼な態度をとる年上の教授で……。1982年の名作。
【目次】