出版社内容情報
28年かけて出版され続けた、全180話の超大作『南総里見八犬伝』。この作品がそれほどまでのロングセラーにしてベストセラーとなり得たのは、江戸時代に流行を生み出した様々なエンタメの要素が凝縮されていたからでした。本誌は当時の教育や識字率の高さ、「千部振舞」と呼ばれるベストセラーを生み出した出版事情に触れながら、人々が楽しんだ江戸の大衆文化を紹介します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アヴィ
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八犬伝というと世代によってはっきり分かれ、自分にとってはNHKの人形劇。少し下の世代だと薬師丸ひろ子主演の角川映画。更に若い世代だとタッキー主演のテレビドラマだろうか。本書は2024年の映画化に合わせて出たムック本。八犬伝そのものよりも、映画と同じく馬琴の生涯などについて詳しく書かれている。そして後半は挿絵について浮世絵の絵師や、それらに纏わり浮世絵版画の技工や関わる職人について、印刷出版に至るまでがかなり詳しく書かれていて面白い。江戸期が生んだスーパーファンタジーな物語の影響の大きさに驚く。2025/07/28
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- 和書
- 「意地悪」化する日本