出版社内容情報
今年の12月16日に没後30年を迎える田中角栄。ロッキード事件で失脚してしまいましたが、人情家で、天性の気配りと心底、国と国民を愛した精神は、いまでも多くの人々を惹きつけてやみません。2018年に生誕100年を記念して発売した『人間・田中角栄』には、そんな角栄の人情物語が50話収録。その単行本を文庫化します。あなたの知らない田中角栄の人間性がたっぷり詰まっています。
※本書は2018年4月に刊行した単行本『人間・田中角栄』を改題し、文庫化したものです。
内容説明
昭和の官僚たちは皆、角栄に魅せられ、仕えることに誇りを持った。角栄は言う。「手柄はすべて連中に与えてやればいい。ドロは当方がかぶる。名指しで批判するな。叱るときはサシでしろ。ほめるときは大勢の前でほめてやれ」。これは官僚だけに対する態度ではない。どんな立場の人にも同じだった。対立する野党の政治家も角栄の魅力に惹きつれられた。そして、接した人は誰もが角栄を慕った。昭和で最も愛された宰相・田中角栄の本当の姿が50の物語で蘇る。
目次
1章 涙(早坂茂三秘書の涙;ある女優の決意 ほか)
2章 愛(「テーソク」との友情;「角福戦争」の深奥 ほか)
3章 心(鯛とイワシ;ある老婆の陳情 ほか)
4章 情(オナラして「失敬」;竹下登の涙 ほか)
5章 志(飛び上がった鯉;娘が見せた「愛」 ほか)