出版社内容情報
家康はなぜ100年以上続いた乱世を終わらせることができ、長く安定した江戸時代をつくることができたのか。それは家康の経済力の強大さです。家康=経済力というイメージはありませんが、信長や秀吉よりはるかに経済力がありました。ではいかにして強大な経済力を持つことができたのか、いかにして安定した社会システムをつくることができたのか。家康と江戸幕府の安定力の秘密をお金の面からひもといていきます。
内容説明
天下を取った最大の秘密は日本一の資金力だった!信長・秀吉を凌ぐ領土拡大。金銀銅の独占。日本初の“中央銀行”を設立。そして、人口世界一の江戸を建設。家康の驚くべき蓄財術を歴史的文献からひもとく。
目次
第1章 家康の「ピンチはチャンス」戦略
第2章 信長、秀吉が抱えていた経済問題
第3章 計算づくだった関ヶ原の戦い
第4章 日本の金銀を独占した家康
第5章 タックスヘイブン「江戸」の誕生
第6章 豊臣家を滅ぼした経済的理由
著者等紹介
大村大次郎[オオムラオオジロウ]
元国税調査官。国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ系)や『ナサケの女』(テレビ朝日系)の監修等で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
32
私利私欲に溺れず、様々な面に気を配れる名君。家康のイメージが悪いのは「大阪の陣」及びそこへ至る経緯のせいだと気づいた。本書を読めばアンチの方も理解は示せるはず。母を知らず、8歳で父を失い、人質生活のたらい回し。生き延びるために信長からの過酷な扱いに耐え続け、戦で敗れたわけでもない秀吉に臣従した。もしかしたら「自分みたいな思いをする人が出て来ない国にする」ことがモチベーションだったのかも。関ヶ原の勝因やキリスト教との接し方にも納得。大河ドラマはいまのところ見ていないが、これを機に家康についてもっと読みたい。2023/01/23
Chili
6
いつの時代もどう財政を取り仕切るか。 なるほど。2024/10/27
Uz あなぐま
4
既存の支配層が弱体化した空白地に入り込む省エネ戦略。有能な人材は安く雇えるときに大量採用。金銀鉱山の独占、貨幣政策による財政基盤強化。恩賞としての土地不足問題の解決。財務担当の仕事をして嫌われた三成。経済と物流の要である西国の獲得。被差別部落民の固定化。昨年の大河ドラマに寄せた家康像という印象を受けた。結果論や運の良さも感じるけどなるほどなと思う点がいろいろあった。知っている話も知らない話も経済面から語られると少し違って見えてくるのが面白い。2024/05/15
さとうはるみ
1
家康さんが鉱山に精通していたとは知らなかった。大久保長安が詳しいのであって家康さんはと思っていたから。佐渡金山は上杉謙信の時代ではなく関ヶ原の戦いの直後に発見されたというのが驚き。佐渡金山なくても豊かな上杉謙信。武田信玄とは大違いだ。金銀銅の3種類の貨幣をバランスよく使う、そして使えるように貨幣を作ったことが江戸幕府の財政の救世主になり幕末も助かったと。貨幣改鋳益で儲けたとあるがなんで儲かるのか分からないので知りたいと思った。2023/08/25
mutan
0
松元332.1オ2023/07/11