宝島社新書<br> 親ガチャという病

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宝島社新書
親ガチャという病

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784299027603
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

出版社内容情報

ネット発の流行語にみる
「息苦しい日本」の正体!

「親ガチャ」という言葉が話題を集めている。

まるでくじを引くかのように、生まれてくる子供は親を選ぶことができない。
人生が上手くいかないのは「ハズレ」を引いたせいだ――。

時に、そんな自虐や冷笑を含んだ思いも込められるというが、
そうした概念が多くの人の共感を集める背景にあるものとはいったい何なのか?

本書では、日本社会の表層に浮上しつつある違和感や陋習(ろうしゅう)、問題点などに着目し、
7つのテーマに沿ってそれぞれ識者が掘り下げる。

第1章 親ガチャという病
生きづらさのなかで固定化されゆく“自己像”
土井隆義(社会学者)

第2章 無敵の人という病
「真犯人」は拡大自殺報道を垂れ流すマスコミ
和田秀樹(精神科医、評論家)

第3章 キャンセルカルチャーという病
被害者への過度な感情移入が議論をシャットアウトする
森達也(映画監督、作家)

第4章 ツイフェミという病
フェミニズムを攻撃や誹謗中傷の「隠れ蓑」にしてほしくない
室井佑月(作家)

第5章 正義バカという病
スケープゴート叩きの裏に潜む「不都合な真実」
池田清彦(生物学者)

第6章 ルッキズムという病
「相手ファースト」で委縮し“素顔”を覆い隠す若者たち
香山リカ(精神科医)

第7章 反出生主義という病
「人生の虚しさ」の大衆化により蔓延している苦しさ
中島義道(哲学者)

「はじめに」より抜粋
生まれた地域や属性、性別などが、その人生に大きな影響を及ぼすことは間違いない。
けれど、「ガチャ」というあまりに無機質な言い方にショックを受ける人も少なくないはずだ。そこには、自らの運命をせせら笑うかのような自虐、諦めのムードが漂う。内に秘めたとてつもない悲しみをごまかしているかのようにさえ感じられる。日本を覆う、閉塞感や生きづらさ。そういったものが一種、病理のように「ことば」として社会に浮上している側面はないだろうか?

本書はそんな思いを出発点とし、令和ニッポンにおいて注目を集めている流行語を軸に、6人の識者にインタビューを試みた。第1章に限っては、「親ガチャ」にかんする論考をまとめ、大きな反響を呼んだウェブ記事「『親ガチャ』という言葉が、現代の若者に刺さりまくった『本質的な理由』」(現代ビジネス、2021年9月7日配信)を執筆した社会学者・土井隆義さんに寄稿して頂いている。

「時代を一言で象徴するキーワード」など、あるはずがない。
しかし、話題を集めている言葉を突破口に、その背景にあるかもしれない何かを手探りで捉えようとする試みに意義を見いだしたい。
 本書が照射しようとするものは、日本を覆う「空気」の一片だ。

内容説明

「親ガチャ」という言葉が話題を集めている。まるでくじを引くかのように、生まれてくる子どもは親を選ぶことができない。人生が上手くいかないのは「ハズレ」を引いたせいだ―。時に、そんな自虐や冷笑の思いも込められるが、そうした概念が多くの人の共感を集める背景にあるものとはいったい何なのか?本書では、日本社会の表層に浮上しつつある違和感や陋習、問題点などに着目し、7つのテーマに沿ってそれぞれ識者が掘り下げる。

目次

第1章 親ガチャという病―生きづらさのなかで固定化されゆく“自己像”
第2章 無敵の人という病―「真犯人」は拡大自殺報道を垂れ流すマスコミ
第3章 キャンセルカルチャーという病―被害者への過度な感情移入が議論をシャットアウトする
第4章 ツイフェミという病―フェミニズムを攻撃や誹謗中傷の「隠れ蓑」にしてほしくない
第5章 正義バカという病―スケープゴート叩きの裏に潜む「不都合な真実」
第6章 ルッキズムという病―「相手ファースト」で萎縮し“素顔”を覆い隠す若者たち
第7章 反出生主義という病―「人生の虚しさ」の大衆化により蔓延している苦しさ

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

107
一癖も二癖もある著者名を見て手に取った。タイトルの「親ガチャ」を筆頭に、イツメン、無敵の人、キャンセルカルチャー、ツイフェミ、正義バカ、ルッキズム、反出生主義…現代社会はどうしてこんな嫌な言葉ばかりを生み出すのだろう。それに対する著者たちの視点をとても面白いものとして読んだ。個々の議論に対する賛否はあるが、信念を持って発言するこの人たちの強さが羨ましい。「「なぜ生きるのが虚しいか」なんて紀元前からの問い。時間はあっても考える力がないのが問題。力もないのにただ考えているだけだから苦しい」…確かにそうだけど。2022/04/23

フム

39
最近話題になっているのを何度か目にしている言葉である。SNSで保守系の議員が、けしからんというようなことを言っていたが、そもそも親ガチャとは幼少期に親から虐待を受けて育った経験を持つ若者が自分の生きづらさを周囲に語る際に使い始めた言葉だというから、言葉への不快感ばかり口にして現状の理解が足りないのでは議員としてはむしろ恥ずかしい。ゲームで引くくじのように人生は運次第と若者が思ってこの言葉が広がっているのだとしたら、その格差を少しでも少なくするような社会になってほしいと思った。2022/05/06

ミライ

34
和田秀樹さんや池田清彦さん香山リカさんなどの有識者との対談を交えて、ネット発の流行語から今の「息苦しい日本」の正体を暴いた一冊。親ガチャ、無敵の人、キャンセルカルチャー、ツイフェミ、正義バカ、ルッキズム、反出生主義など、どれも面白い題材かつ、超個性的なメンバーの対談もあいまって非常に面白かった。ネットが好きで、いつもツイッターで情報取集している人にオススメ。2022/07/22

かずぼう

31
香山リカ:うかつな事を呟くと叩かれる不安感、しかし「誰一人傷つけないものなんてない」〜確かに配慮、配慮で疲れてしまう。変人哲学者中島義道:人生は虚しい、生まれてこなければ良かったと悩むのも先進国に生きる人間の特権、悩むことが大衆化した結果、苦しさが蔓延〜中島先生、今回は大衆向けにかなり抑え気味に、まともな事を言っておられた。2023/11/08

活字スキー

24
いかにも今時なタイトルとなかなか香ばしそうなメンツに釣られて手に取った。閉塞感に覆われ、生きづらさに満ち満ちた現代日本について「親ガチャ」等のワードに絡めて七人が持論を語る。文量も熱量も統一感がなく、最初の土井さんだけは既出の記事の加筆再編集だけれど、他の六人は今年に入ってからのインタビューということで語る内容に鮮度が感じられるのは良かった。もちろんその全てに同意、納得できる訳ではないが、人は複雑な現実を主観で単純化しがちなので、色々な視点があるということを確認するだけでも意味はある。2022/03/30

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