出版社内容情報
年間8兆円のインバウンド、観光立国を目指してきた日本は宿泊、交通、旅行産業の再構築を免れない状況に陥っている。政権が目指してきた「観光立国」の解体的出直しと、各業界に甚大な影響をもたらしたコロナショックの爪痕を徹底取材。「コロナ後」のツーリズムを予測する。
内容説明
日本政府はこれまで、政治的な日中関係とは別に「中国人頼み」の観光政策を掲げ続けてきた。ビザ発給の緩和はその最大の切り札で、これまでお金があっても日本に入れなかった多くの中国人が、団体ツアーなどで訪れることができるようになった。だが、この麻薬のような中国人優遇政策はその後の安倍政権にも引き継がれ、即効性のある経済対策として重宝されてきた。だが、コロナ問題によってその「依存」の苦しみがいま、日本に跳ね返っている。
目次
第1章 「観光立国」の未来(観光業界は今秋以降に「修羅場」を迎える!コロナ下の日本経済7の論点;幻の訪日客「4000万人」 東京五輪「中止」で消える4兆5000億円;コロナに殺されたホテル・旅館・飲食業 「コロナ倒産」の悲劇;大阪・横浜も撤退を模索 外国企業に見放されたIR「カジノ構想」の悲劇;アフター・コロナの羅針盤 アジア諸国のデジタル戦略と日本観光産業の未来;コロナVS観光業界のデスマッチ 航空・旅行大手の恐ろしい「決算発表」総覧;緊迫続く水際の「空港検疫」 東京感染者「再増加中」でも政府に「打つ手なし」)
第2章 インバウンドという麻薬(中国人が消えて4ヵ月 インバウンドの聖地 大阪・黒門市場の現在;宿泊客減少に苦しむ富士山周辺の「和風旅館」を中国人が「爆買い」攻勢;「観光公害」からの暗転 世界屈指の観光地「京都」の現状ルポ;中国人観光客という「麻薬」に依存した観光政策の末路;ロックダウンから3ヵ月 8月「観光再開」を目指す日本人が消えた「ハワイ」のいま)
第3章 アフター・コロナへの道程(電通スキャンダルの余波でスタートが遅れる「GoToキャンペーン」の実効性;国交省が牛耳るニッポン観光 歴代「観光庁長官」の来歴と「天下り」事情;給付金はすでに「打ち止め」 見掛け倒しの経済対策で絶望視される「V字回復」;観光政策を一手に仕切る菅義偉官房長官の「官邸内失職」がもたらす意味)