宝島社新書
カラー版 鳥獣戯画の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784299005021
  • NDC分類 721.2
  • Cコード C0271

出版社内容情報

日本美術史上、もっとも有名な作品のひとつ、国宝「鳥獣戯画」。

いつ、誰が、なんのために制作したのか? そして、なぜ今日のようなかたちで現
代に伝わっているのか?
約100年ぶりに行われた<平成の大修理>によって判明した、驚愕の新事実とは


本書では、まるでミステリーの謎解きをするかのように、「鳥獣戯画」の真実を徹
底“推理”するとともに、
オールカラーで絵巻物の図像もふんだんに掲載。

国宝絵巻の謎に迫る、「読む鳥獣戯画」新書!

【目次】
●『鳥獣戯画』現存甲巻全図

●序章 謎が謎を呼ぶ国宝絵巻

●第1章 『鳥獣戯画』の謎
『鳥獣戯画』とは何か?――国宝絵巻全4巻を観る
『鳥獣戯画』5つの謎――謎に包まれた国宝絵巻

●第2章 『鳥獣戯画』の時代
『鳥獣戯画』成立の背景――絵巻物の黄金時代を追う
白描画と戯画の歴史――密教絵画と『鳥獣戯画』
『鳥獣戯画』と高山寺――『鳥獣戯画』の制作年代を追う

●第3章『鳥獣戯画』の作者を追え!
絵巻物の制作者たち――宮廷絵師と絵仏師
宮廷絵師説の検証――『年中行事絵巻』と『鳥獣戯画』
絵仏師説の検証――作者は鳥羽僧正覚猷か?

●第4章『鳥獣戯画』の動物たち
『鳥獣戯画』にストーリーはあるのか――描かれた動物たちの意味
日本の古典から読み解く――説話で読む『鳥獣戯画』

●第5章 『鳥獣戯画』の真実
断簡と模本の存在――『鳥獣戯画』の失われた絵とは!?
『鳥獣戯画』甲巻は2巻あった!?――上野復原論からわかる真実
平成の大修理が解明した謎――料紙が語る『鳥獣戯画』の真実

●終章 解明された謎

内容説明

『鳥獣人物戯画』。猿や兎、蛙などの動物たちが次々と楽しげな遊びに興じる姿を描いた、日本人なら誰もが知る国宝絵巻だ。だがその知名度の高さとは裏腹に、私たちは『鳥獣戯画』の何たるかを知らない。いつ制作されたのか。誰が描いたのか。何のために制作されたのか。そこには日本美術史上最大級のミステリーが隠されていたが、約100年ぶりに行われた平成の大修理によって、これらの「謎」は少しずつ解き明かされようとしている。その新発見は、本書監修の上野憲示氏による「上野復原論」を補完し、裏付けるものだったのである―。長年の『鳥獣戯画』研究の蓄積と、最新の調査・研究から得られた知見をもとに、『鳥獣戯画』の真実の姿に迫る、「謎解き美術エッセイ」の決定版!

目次

『鳥獣戯画』現存甲巻全図
序章 謎が謎を呼ぶ国宝絵巻
第1章 『鳥獣戯画』の謎
第2章 『鳥獣戯画』の時代
第3章 『鳥獣戯画』の作者を追え!
第4章 『鳥獣戯画』の動物たち
第5章 『鳥獣戯画』の真実
終章 解明された謎

著者等紹介

上野憲示[ウエノケンジ]
1948年大阪府生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。文星芸術大学理事長・名誉学長ならびに芸術理論専攻教授。『鳥獣戯画』甲巻の復原に関する画期的な理論で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

75
トーハクの鳥獣戯画展、行けそうもないのでとりあえずこちらで我慢。って、作者名ぐらいしか知らないことに気づいて焦る。甲乙丙丁と4巻あり1番有名なのが甲巻、らしい。有名な作品なのに、誰がいつ何のために何を描いたのか、まだわからないようだが、でもそんなことを吹っ飛ばすような生命感が、拡大された図版の動物たちから溢れてくる。本書では絵師たちが手すさびで描いた説推し。そうかもしれない。何しろ線が踊ってて楽しそうだもの。展覧会に合わせて急ぎまとめた感もあるが、入口としては合格点か。でもやっぱり、現物見たいなあ・・・。2021/05/31

tamami

46
京都の高山寺に伝わる『鳥獣人物戯画』は、最近百年ぶりに本格的な修復がなされ、本絵巻に関する出版も相次いでいる。本書もその一つとして、4巻に及ぶ絵巻の構成と作られた当時の時代背景を詳しく記した上で、主として制作年代と作者、平成の修理の過程で明らかにされた巻子本の紙質や構成等から、その謎に迫る幾つかの有力な仮説を提示し、読者に迫っている。本書は、絵巻には定まったストーリーはないという立場であるが、過日同じ絵巻に深奥な物語が展開されている別著作を読んだ者として、再度読み比べをしながら謎解きを愉しみたいと思う。2021/04/16

シフォン

41
会期が延長になったので、なんとか鳥獣戯画展に行くことができた。日時指定の予約制は有り難い。展覧会初の動く歩道もいい感じ、そして、実物の絵巻は、修復されているとはいえ、本では味わえない生き生きとした動物達の姿、これが平安時代の描かれたとはホントに驚きだった。鳥獣戯画は、いつ描かれたのか?誰が描いたのか?何のために描いたのか?何が描かれているのか?説なのか?解明されたのか?甲巻は繋がらないところがあると感じていたが断簡があったのね。そして、2巻だった説、どんなストーリーだったのかやっぱり興味深い。2021/06/11

のぶのぶ

27
 東京国立博物館のやまと絵展に行ってみたい。鳥獣戯画の甲巻の展示は終わってしまったが。平成の大修理で新しく分かったことが、上野復元論を後押ししている。修復跡、紙質、筆致の違い、古文書の記述、断簡(修理時に抜け落ちた絵)、模本などなど、甲巻が2つに分かれていて、作者も違うことが分かってくる。紙質からも正式に依頼されて作られた絵巻物ではない推測、面白い。断簡を繋いだ本当の鳥獣戯画の姿は新書では見ることが出来ないが、姉妹本にはあるそうな。見てみたくなる。まだ、分からないことも多いが、さらなる発見が待ち遠しい。2023/11/13

はちめ

11
上野憲示氏の監修は入っているものの基本は出版社による編集。鳥獣戯画がいつ、誰が、何のために、何を書き、また錯簡などは何を意味するかについて過去の諸説を取り上げてある。よく知られている甲本というものが二人の作者によって別に描かれたものを合本したものだというのは驚きだった。また、全体のストーリーはなく、意味を追うことはできないということも意外だった。もっとも謎が多い作品なので確定した説ということではないようだが。上野説に基づき錯簡などをつなぎ合わせた合成版を見てみたい。☆☆☆☆2021/04/11

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