出版社内容情報
日本でもファンが多い動物の筆頭であるパンダの神秘を知ることができる科学絵本です。
ジャイアントパンダは中国の四川省、甘粛省、陝西省などにしか生息しない絶滅危惧種です。パンダの指は7本あることなどの生態は知られるようになってきましたが、そもそもどうやって進化してきたのか、その真実はあまり知られていません。本書は、ジャイアントパンダが肉食動物「始熊猫」だった800万年前に遡り、笹や竹を食べる草食動物になったいきさつを体の作りや生き抜いてきた自然環境など科学的な観点から探ります。
著者は浙江大学(せっこうだいがく)にてパンダの保護研究をしているパンダの専門家です。
これまであまりパンダに興味を持っていなかった方々にも、関心を寄せてもらう契機となる内容になっています。
内容説明
パンダはどうして熊なのに笹や竹を主に食べるようになったの?そう!パンダはもともと肉食動物だったのです。パンダの長い長い歴史を科学的に読み解いてみましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
児童書。科学読み物。パンダの進化の歴史▽約800万年-300万年前の《始(し)パンダ》はキツネくらいの大きさで集団で狩りをする肉食動物だった。しかし氷河期に食性を変え、雑食性の《ピグミージャイアントパンダ》になる。ピグミージャイアントパンダはオオカミサイズ。更に気候環境に適応し、竹を主食とするピグミージャイアントパンダの大きなものが生き残り《アイルロポダ・バコーニ》になる。再びの氷河期で全滅しかけるが、生き残った一群が《ジャイアントパンダ》で、更に《秦嶺パンダ》と《四川パンダ》に亜種分化▽イラストが良い2023/07/22
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
パンダは最初からパンダではなかったのか!とパンダの進化が書かれています。始パンダ→ピグミージャイアントパンダ→アイルロポダ・バコーニ→ジャイアントパンダ(秦嶺パンダ・四川パンダの亜種がある)と肉食だったパンダは生き抜くために草食になるという驚き!2023/08/31
ほんわか・かめ
11
始パンダ、と呼ばれるパンダの祖先はキツネほどの大きさだった。白と黒の配色にもまだ可愛らしさがない。気候変動に耐え、争わずして種の保存に徹した結果、竹を食べることに。なのに内臓の方はそれに適していない。しかも未だに。パンダの生態を扱った本はいっぱいあるけど、パンダの進化は初めて知った。〈2023/技術評論社〉2024/08/01
遠い日
9
読んで、パンダの歴史をなんにも知らなかったことに気づく。こんな不可思議な進化を遂げたのかと、いっそう愛おしくなる。狐くらいの大きさだった「始パンダ」は、今のパンダとは似ても似つかない姿で、異様ですらある。800万年の進化の神秘。種が生き延びるために、自らを改造していく凄み。神々しささえ感じます。2023/07/30
イカまりこ
9
絵本ではあるけど難しい。文と訳がめっちゃ堅い。これは子供が一人で読むよりは、大人がかみ砕いて教えてあげる方がいいと思う。エサが不足した時にパンダの先祖がどうやって耐えてきたかの進化の歴史を伝えてる。パンダはかわいいと思うしまぬけな部分も愛らしい。でも以前読んだ小説にパンダが消化しにくい笹を食べるようになったのは、パンダの罪だから…のような文章を見て、それがずっと頭の片隅にある。生き残るために何があったのかは謎だよなぁ。2023/06/29
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